第1回 吸引で“困った!”その原因は何?
- 公開日: 2014/1/12
- 更新日: 2021/1/5
「吸引」は、日常的な看護ケアでありながら、「困った体験がある」という声がよく聞かれる手技です。「なかなか痰が引けない」「吸引を嫌がられる」など、「吸引が困難」だと看護師のみなさんが感じている典型的なケースをピックアップ。どうして「困難」なのかをひもとき、「攻略法」を紹介します。
あなたが出合った「吸引困難」は、どんなケース?
吸引が困難だと感じるのは、例えば、吸引を拒否する患者さんや認知症患者さんなど、多くの看護師が難しいと感じがちな定番のケースがあります。それは、吸引が苦痛を伴う手技であることが大きく、協力が得られない場合、処置を行うことが一気に難しくなるからでしょう。
また、看護師の感じる「難しさ」について、患者さんとの信頼関係やコミュニケーション術、アセスメントへの自信の度合いが影響していることもあります。そのため、難しい吸引ケアが「できる」ためには、「アセスメント力」「信頼関係づくり」など、現場の事情に即した「知識とスキル」のブラッシュアップが必要です。
あなたも、吸引ケアの向上に役立つ「知識とスキル」を一つ一つ攻略してみましょう。次ページの「吸引困難攻略Map」をたどっていくと、あなたが日頃感じる吸引の難しさを解決するヒントが見えてくるはずです。
次ページは「吸引困難攻略Map」です。
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攻略Mapをたどって解決の糸口を見つけよう!
吸引困難ケース別 攻略法は?
- 吸引すべきかどうか、わからない →吸引実施の基準を知ろう!
- 貯留音はあるのに、引けない →吸引のアセスメントを見直そう!
- 意識レベルが低く、吸引しづらい →吸引以外の排痰法を検討しよう!
- 処置の苦痛が強く、拒否される →患者さんが安心できる方法を考えよう!
- 急変しそうで、吸引が怖い →注意すべき疾患・状態を知ろう!
(ナース専科マガジン2012年12月増刊号『一冊まるごと呼吸ケア』より転載)
次回からは、「吸引困難ケース」のそれぞれの攻略法について解説していきます。