看護に役立つ生理学
記事数:42
"連載「看護に役立つ生理学」の記事一覧です"
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ヒトの深部体温は37℃程度で、多少の変動はあるにせよ、極めて狭い範囲に保たれています。さまざまな状況の変化に乱されることなく体温が一定しているのは、生体が常に熱のバランスを取ってくれているからです。 今回は熱産生・熱放散のメカニズムを振り返ることにより、調節機構が合
糖質と並び、エネルギー源として不可欠な栄養素である脂質の代謝についても見てみましょう。ここでは脂質の主たる構成要素である「脂肪酸」について考えますが、すでに述べたブドウ糖と常に比較しながら理解すれば、その特徴がよく見えるようになります。 ブドウ糖と脂肪酸 ブド
糖質や脂質といった栄養素についての知識は看護師にとって基本的なもののはずですが、これらが摂取・吸収されたあとの行方、つまり「代謝」については、一度は生化学で学んだことがあっても、その意義がよくわからず、無味乾燥に感じられた人も多いことでしょう。 今回はブドウ糖を中心
糖質や脂質といった栄養素についての知識は看護師にとって基本的なもののはずですが、これらが摂取・吸収されたあとの行方、つまり「代謝」については、一度は生化学で学んだことがあっても、その意義がよくわからず、無味乾燥に感じられた人も多いことでしょう。 今回はブドウ糖を中心
カルシウムは、ナトリウムやカリウムに比べれば臨床検査で測定される頻度が少ないですが、一般には最もよく知られているミネラルと言ってよいでしょう。その血中濃度は厳密に調節され、体内でさまざまな生理作用を発揮します。 また、カルシウムには他のミネラルとは異なった特色が数多
血清の電解質濃度を調べる際に、Na(ナトリウム)、K(カリウム)とともにセットで測定されるCl(クロール)濃度。皆さんはこのClについて、どれだけのことを知っているでしょうか? 「いつも採血項目に入っているけれど、何のために測っているのかわからない」という人も多いで
採血検査を行えば必ずと言ってよいほど測定される血算。その中には、貧血の指標となるものだけでも、「赤血球数」「ヘマトクリット」「ヘモグロビン濃度」と、いくつもの項目が存在します。これらのどれ1つが低下しても「貧血」と総称して間違いではありませんが、それぞれの値には異なった意
甲状腺ホルモンの臨床検査においては、「遊離T3・遊離T4」といった項目をよく耳にします。「遊離」(フリー、free、f、F などと書くこともあります)とは、「T」とは何なのか、またT3とT4の違いは何なのか。こういった疑問に答えるには、基礎的な甲状腺ホルモンの生理学にもう
放射線被曝の問題が大きく報じられると同時に、関心が高まった甲状腺。頸部に存在するこの小さな臓器が分泌するホルモンは、身体中のおよそあらゆる細胞に作用して、その代謝を制御しています。 このため、さまざまな原因によって甲状腺ホルモンの分泌が過剰になったり不足したりすると
糖尿病は、数ある疾患の中でも最も有名なもののひとつであり、糖尿病を理解するためにはインスリンホルモンの理解が不可欠です。 実務上は、「インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、糖尿病ではその働きが不十分なために高血糖をきたす」ということさえ知っていれば事足りるかも知
AST(GOT)・ALT(GPT)といえば、肝機能検査の中でも真っ先に思いつく項目でしょう。両者はいずれも「酵素」と呼ばれる、生体の化学反応を助ける役割を果たすタンパク質です。 今回はこれらの酵素がどのような原因で異常値を来すのか学び、酵素そのものの生理的な機能について
肝・胆道疾患や血液疾患の病態把握に重宝されるビリルビンとウロビリノーゲン。 これらが異常を示す疾患は多岐にわたります。その上、血液と尿の所見を組み合わせて判断する局面も多く、また間接/直接ビリルビンの違いなど、理解しにくい要素がたくさんあります。 いずれの物質も、
具体的な計算で考えてみよう 理論的な話だけでは実感がわかないと思いますので、具体例を用いて計算してみましょう。 必要な情報は、一定時間におけるクレアチニンの排泄量と、血漿のクレアチニン濃度、この2つだけです。 前者を知るためには、1回尿だけでは正
体液バランスや腎機能を考える際に避けては通れない、「クリアランス」という概念。誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。 同時にまた、多くの人にとって、きちんと理解することの難しい、苦手意識を感じやすい事項でもあります。今回から、何だかよくわからないまま今日まで過ごした人
【関連記事】 ■腎機能とは?BUN・クレアチニンの関係 BUN VS クレアチニン BUNよりクレアチニンのほうが正確なら、一体何のために両方を測定するのでしょうか? 確かにBUNだけを測定しても不確かなことは多いのですが、クレアチニンの値とセットにし