ドライスキンの患者さんのケアのコツ
- 公開日: 2014/3/23
スキンケアが難しい患者さんへの対応のキホン
スキントラブルの原因のベースは、ほとんどが皮膚の乾燥──ドライスキンです。まずはそのメカニズムを理解しておくことが基本です。
皮膚の角質は、外界からの刺激の侵入を防ぐバリア機能とともに、水分保持機能も有しています。角質細胞の水分量は、皮脂膜が皮膚表面を覆い、角質細胞間脂質が細胞を結びつけ、細胞内の天然保湿因子が水分と結びつくことで保たれています。しかし何らかの原因で、角質細胞間脂質や天然保湿因子が減少すると、細胞間にすき間ができ体内の水分が蒸発したり、水分を保持する力が弱まったりして皮膚の水分減少が起こります。これがドライスキンの状態です。
ドライスキンの状態が、さまざまなトラブルを招く
つまりドライスキンであるということは、細胞間同士の結合が弱くなっている状態。皮膚の亀裂、弾力性の喪失、わずかな刺激による表皮剥離などの症状が起こります。掻痒感も発生しやすくなります。そのおもな原因には、加齢、セラミドの代謝異常をきたす疾患、薬剤などがあります。高齢者の場合は、栄養不足などによる皮膚の脆弱化が加わり、スキントラブル発生のリスクが高くなります。スキントラブルへの対応のキホンは、ドライスキンの改善です。つまり「保湿」と「保護」が最も重要。これを徹底する一方で、症状に応じた対応を行うことが必要になるのです。