肝硬変で掻痒感のある患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/1/13
肝硬変で掻痒感のある患者さんに関する看護計画
ウィルス感染やアルコールなどさまざまな要因によって肝細胞の障害と再生を繰り返す過程で徐々に線維化が進行していき、最終的に肝硬変となります。肝臓の機能が低下することでビリルビンが上昇して掻痒感が生じることがあります。今回は肝硬変によって掻痒感が生じている患者さん対する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 疾患の状態や患者さんの全身状態を確認する。血中のビリルビンの値が上昇すると末梢神経を刺激し、掻痒感が生じるため、掻痒感の程度や日常生活への影響の有無を把握する。また、黄疸の出現にもつながるため推移を見ていく。
援助計画 T-P 浮腫があると皮膚が脆弱な状態で、掻痒感で皮膚をかいてしまうと傷になってしまうため、皮膚を清潔に保ち、保湿する。皮膚の状態や掻痒感の程度によって、薬剤を使用することがあるため、効果をみていく。また、ビリルビンは便から排泄されるため、排便できるよう環境等を調整する。
教育計画 E-P 肝臓の機能や掻痒感との関係、スキンケアについての説明、その他、知りたいことなど、いつでも聞いてほしいと伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
掻痒感によって日常生活に支障がある
看護目標
掻痒感に合わせた日常生活を送ることができる
観察計画 O-P
原疾患の治療状況
掻痒感の有無、程度
皮膚黄染、眼球黄染の有無、程度
腹水の有無、程度
浮腫の有無、程度
食事摂取状況
排泄状況(便秘の有無、排便状況など)
検査データ(Alb、肝機能、ビリルビン、凝固能など)
画像データ(腹部エコー、腹部X線、CT)
援助計画 T-P
皮膚の保清、保湿を保つ
排便状況を調整する
適宜、栄養が摂取できるように環境を整える
必要に応じて療養環境を整える
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
皮膚を清潔に保つ必要性を説明する
適宜、肝臓の機能を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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