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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

腹水のある患者さんへの看護計画|肝硬変の患者さん

  • 公開日: 2023/5/25

肝硬変により腹水がある患者さんへの看護計画

 肝細胞は障害と再生を繰り返す過程で徐々に線維化が進行し、肝細胞の減少や血流障害などが生じて肝疾患の終末像が肝硬変と呼ばれています。肝硬変では、肝臓でのアルブミン合成能の低下により膠質浸透圧の低下や門脈圧の亢進が起こり腹水を生じます。今回は肝硬変による腹水がある患者さんに対する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 肝硬変の症状、腹水の程度を把握する。肝硬変が進行すると浮腫も出現するため、浮腫の程度も確認する。腹水の治療のために利尿薬を使用していて、水分制限も行っている場合は、脱水にも注意する。

援助計画 T-P 患者さんができるだけ苦痛がなく過ごせるように体位や環境を整える。浮腫が生じていると皮膚が脆弱となるため、清潔・保湿・保護を行う。

教育計画 E-P 必要に応じて肝硬変や腹水について解説する。不安なことがあれば、いつでも話してくれるよう伝える。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

肝硬変による腹水に関連した苦痛がある

看護目標

安楽に過ごすことができる

観察計画 O-P

腹水の有無、程度
浮腫の有無、程度
原疾患の治療状況
倦怠感の有無、程度
黄疸、眼球黄染の有無、程度
掻痒感の有無、程度
食事摂取状況
排泄状況(失禁、便秘の有無、程度など)
In-Outバランス
検査データ(Alb、TP、ビリルビン、凝固能など)
画像データ(腹部エコー、レントゲン、CTなど)

援助計画 T-P

適宜、安楽な姿勢を整える
必要に応じて療養環境を整える
皮膚の保清、保湿を保つ
皮膚に負担が掛からないように病衣や寝具を適切なものに変える
必要に応じて排泄環境を整える
医師の指示に基づく薬剤を使用する
医師の指示に基づく水分制限を行う

教育計画 E-P

必要に応じて肝硬変と腹水の関連を説明する
苦痛を我慢せず伝えてもらうように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する

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