肝硬変の患者さんへの看護計画
- 公開日: 2022/12/27
肝硬変の患者さんへの看護計画
肝細胞は障害と再生を繰り返す過程で徐々に肝細胞の線維化が進行します。そして、肝臓の本来の構造が破壊され肝細胞の減少や血流障害などが生じてさまざまな症状を引き起こす肝疾患の終末像が肝硬変と呼ばれています。主な原因として慢性ウイルス性肝炎、慢性アルコール障害、非アルコール性脂肪肝炎などが挙げられます。肝硬変の患者さんに接する機会もあることから看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 肝硬変の症状である黄疸、浮腫、掻痒感、腹水などの有無を確認し、患者さんの状態を把握する。
援助計画 T-P 肝機能が悪化することを防ぐことと、肝硬変によって発症した症状への対応が基本となる。掻痒感がある場合は衣服の工夫が必要になる。浮腫へのケアや腹水がある場合は利尿薬の使用や、腹水の貯留量によっては呼吸困難となることもあるため、安楽な体位をとってもらうなどのケアを行う。
教育計画 E-P 肝硬変の症状がある場合は、苦痛や不安があればなんでも看護師に話してもらうよう伝える。また、症状へのケアについてなぜ必要なのかを説明し理解してもらう。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
肝硬変に関連したさまざまな症状に伴う苦痛がある
看護目標
安楽に過ごすことができる
観察計画 O-P
現在のADL
黄疸、眼球黄染の有無、程度
掻痒感の有無、程度
腹水の有無、程度
浮腫の有無、程度
倦怠感の有無、程度
原疾患の治療状況
食事摂取状況
排泄状況(失禁、便秘の有無、程度など)
検査データ(Alb、TP、ビリルビン、凝固能など)
画像データ(腹部エコー、レントゲン、CT)
援助計画 T-P
皮膚の保清、保湿を保つ
皮膚に負担が掛からないように病衣や寝具を適切なものに変える
必要に応じて安楽な姿勢を整える
必要に応じて療養環境を整える
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
苦痛を我慢せず伝えてもらうように説明する
皮膚を清潔に保つ必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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