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【連載】女性のがんのケア

第18回 術後のパートナーとの関係についてどう伝える?

  • 公開日: 2013/4/13
  • 更新日: 2020/3/26

パートナーとの関係については、患者さんが一人で抱え込んでしまうことも少なくありません。看護師からのさりげないアプローチが必要となります。どのようにかかわっていくとよいのかを解説します。


Q 術後のパートナーとの関係について、どのように説明すればよいですか。

A セクシャリティはQOLの一部であることを伝え、一人で悩みを抱え込まないようさりげなく支援します。

情報提供をしっかりと行い恐怖や不安を取り除く支援を

女性のがんの場合、手術や治療によって性機能に影響が出るのが大きな特徴です。子宮頸がんでは、広汎性摘出手術によって腟が短くなり、卵巣がんでは、卵巣の摘出により卵巣機能に障害をきたし、更年期様症状が出て、腟の潤いが低下します。

乳がんに関しては、ボディイメージの変容が心理的に大きな影響を与えます。また、放射線療法によって照射された部位に皮膚障害が生じたり、化学療法やLHRHアゴニストなどのホルモン療法で卵巣機能の低下を招きます。

こうした性機能への影響によって、性交痛が生じたり、一時的に性欲が低下したりすることがあります。子宮がんの患者さんのなかには、断端部の損傷に不安や恐怖をもったり、身体の変化をパートナーに知られるのを嫌い、性交渉を避ける人もいます。

しかし、子宮頸がんの広汎子宮全摘出術後では、性交渉により腟の断端部は柔軟性を取り戻し、性交痛が解消されます。むしろ、性交渉を避けることで、断端部が硬くなり性生活が困難になり、パートナーとの関係性にも悪影響を与えてしまいます。

また、卵巣機能が低下しているために腟の潤いが不足して起こる痛みへも、市販の潤滑ゼリーなどで対応が可能です。購入できる場所を事前に知らせておくようにします。

※続いては、気軽に扱えない話についてどうアプローチするかを解説します。
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オープンに話すことが難しい話題看護師からさりげないアプローチを

セクシュアリティはQOLの一部であり、その人の生活に大きく関係しますが、性についてオープンに話すことは難しく、患者さんが誰にも悩みを相談できずに1人で抱え込んでしまうことも少なくありません。看護師からのさりげないアプローチが必要です。可能であれば入院期間中に身体の変化についてパートナーに知ってもらう機会を設けてみましょう。

セクシュアリティは人によってとらえ方が大きく異なるので、指導や相談に応じる前に、まず性に関しての情報を知りたいと考えるか、患者さんの意向を確認します。情報を必要としていれば、パートナーと一緒に見られるパンフレットなどを渡して基本的な情報を伝えます。

より詳しく知りたい場合は医師からの説明をコーディネートしたり、看護師自身が詳細な説明を行います。さらに治療が必要と思われるほど深刻な悩みを抱えているときは、性カウンセラーなどの専門家に介入を依頼します。もし病院内に対応できる人や部署がなければ、外部の相談窓口などを紹介します。

また、相談を受ける際には、性の在り方はカップルごとで違うので「普通は?」「○○すべき」といった断定的で押し付けるような話し方をしないよう注意します。個人的な意見を押し付けることなく、患者さんが自分で答えを探せるようにかかわります。

パートナーに対しては、患者さんの身体の変化への説明とともに、相手に対する思いやりや言葉かけ、日常生活での手助けが本人を勇気づけること、手をつなぐ、抱きしめる、身体を密着させるなどのスキンシップから開始していくことを説明します。

次回は、母親が子どもにがんについて伝えるときの注意点について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年1月号より転載)