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【連載】女性のがんのケア

第17回 ボディイメージの変容についてどう援助するか?

  • 公開日: 2013/4/6
  • 更新日: 2021/1/5

ボディイメージは自己概念を形成している要素の一つで、手術や治療によってそれが変化すると、自分自身の根幹を大きく揺るがすようなダメージを受けることがあります。そういった患者さんにどうアプローチすればよいのかを解説します。


Q ボディイメージの変容に関する問題を抱える患者さんに対してどのような援助が有効でしょうか。(乳がん、子宮がん、卵巣がん)

A 患者さんのもつボディイメージを測りながら、本人のペースで自尊感情を取り戻せるような支援を行います。

ボディイメージの変容も喪失体験と同じプロセスを経て受容する

ボディイメージは、自己概念を形成している要素のうちの一つで、NANDAの看護診断では、自尊感情とボディイメージが自己概念を形作っているとされています。それだけに、手術や治療によってそれが変化すると、自己概念を大きく揺さぶり、自分自身の根幹を揺るがすようなダメージを受けます。特に、乳房や子宮は女性性につながるもので、患者さんはそれを喪失すると自分自身の価値まで喪失してしまったような感情にとらわれてしまうのです。

一般的には、ボディイメージの変容も喪失体験なので、衝撃、防御的退行、承認、適応といったプロセスを経て受容していきます。ただし、患者さんが抱くボディイメージは主観的な評価なので、受け止め方は個々の患者さんで異なります。

※続いては、事前のアセスメントや術後のフォローについて解説します。
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手術前から価値観の確認や喪失時の悲嘆を体験できるようにかかわる

事前のアセスメントでは、患者さんがどのようなボディイメージをもっているのか、乳房や子宮にどのような思いを抱いているかを確認します。患者さんの自己評価、価値観を意識的に確認しておくことは、変容への衝撃の大きさを予測するうえでも、その後のサポートを行う際にも重要です。

また、大きな悲嘆を前に、あらかじめ悲嘆を体験しておく(予期的悲嘆)と、実際に喪失を体験したときの悲嘆を和らげるといわれます。患者さんが手術や治療説明を受けた後、身体の変容をどのように感じると思うか話し合っておくことも必要です。同時に、どのように変容するか十分にイメージできるような情報提供をしていきます。

手術後は患者さんのペースで受容プロセスを進める

身体が変化した後は、患者さんのペースで受容できるプロセスが大切になります。「イメージとは違いましたか?」など、抱いていたイメージと現実とのギャップがどの程度なのかを聞いたり、身体に触って変容を確認できているかなどを観察し、受容への準備を評価し、それに応じてサポートしていくことが大切です。手術に臨んだ姿勢を尊重し、がんという病気が切除され新しくなった身体に慣れていけるように援助します。

傷ついた自尊感情を取り戻すには、身体が変容した状態でいかに自分らしさを見つけることができるかがポイントです。それには、家族、特にパートナーの存在が重要で、「君らしい君がいればいい」「勇気を出して手術を受けてくれてありがとう」など、患者さんの自己価値が上がるような声かけをしてもらうように働きかけます。

入院中に身体の変化を受容できていない患者さんは、外来での継続したサポートが必要になるため、これまでの情報を外来に伝えます。院内で十分にサポートできる環境にない場合は、院外のがん相談窓口などを紹介します。

※次回は、術後のパートナーとの関係について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年1月号より転載)

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