がん患者さんへのアピアランスケアとは【PR】
- 公開日: 2024/12/24
がん治療の進歩や通院治療環境の整備により、生存率の上昇とともに、仕事をもちながら通院している患者さんも増えています。しかし、社会と接触しながら治療生活を送ることは、がん治療に伴う外見の変化を患者さんにより意識させる結果となっています。
分子標的治療薬のように、皮膚障害の程度と抗腫瘍効果が関連する薬剤が登場するなど、外見の症状を上手にコントロールしながら治療を継続させるための処置や患者指導が求められるようになってきました。
医療政策も大きく変化し、医療者にも治療に加えて、患者さんが尊厳をもって望む生活を送れるよう支援することが求められるようになってきています。
アピアランスケアの定義
アピアランスケアとは、「がんやその治療に伴う外見変化に起因する身体・心理・社会的な困難に直面している患者とその家族に対し、診断時からの包括的なアセスメントに基づき、多職種で支援する医療者のアプローチである」と定義づけられています。アピアランスケアは、がん治療を取り巻くさまざまな状況の変化から、焦点が当てられた発達途上のテーマであり、今後もさらに変化、構築が進んでいく定義です。
アピランスケアの必要性
アピアランスケア誕生の背景として、がん治療の進歩によって生存率が向上し、患者さんがより長く生きられるようになったことで、Quality of Life(QOL)、どのように生きるかに意識が向けられるようになってきたことが挙げられます。さらに、制吐薬などの開発によって身体的な負担を軽減したことで、仕事や家族とのかかわりがもてるようになり、外見に意識が向けられるようになってきました。
医療政策も変化し、第3期がん対策推進基本計画に「アピアランス」という言葉が初めて用いられたことで、国はがん患者さんのさらなるQOL向上を目指す方針を示しています。
すなわち、医療者にも治療のみならず患者さんが尊厳をもって臨む生活を送れるように支援することが求められています。
アピアランスケアにおいての看護師の役割
看護師は患者さんにとって一番身近でアクセスしやすい医療者であり、患者さんの治療の経過、心理・社会的な背景を一番知っている存在でもあります。アピアランスケアは多職種で行う医療者のアプローチであり、看護師は一番身近にいる医療者として、患者さんの状況を理解して支援できる役割をもっていると思います。
患者さんのなかには髪の毛が抜けるから治療したくないという方もいます。看護の専門職として、疾患のプロセスや心理、患者さんの背景への理解を踏まえて支援すること、つまり、社会につなぐ支援が必要になります。外見の変化を理由に適切な治療を受ける機会を失わせない使命もあります。
アピアランスケアは第4期がん対策基本計画(2023年)に相談支援体制の充実が掲載されて間もないため、自分にケアの知識がない、情報提供が難しいと考える看護師もいるかと思います。何か特別なことをしなければいけないと思っていると、ハードルが高い支援になってしまいます。まずは患者さんから「これってどういうことなの?」と相談があったら、質問事項に答えるだけでもアピアランスケアになります。声かけや助成金の案内、アピアランスケアに関するリーフレットを渡すこと、相談窓口の案内も支援になります。
アピアランスケアを実施する際に念頭においていること
外見の悩みが身体症状だけではない、心理・社会の問題と密接に結びついて形成されていることを念頭に「主訴にとらわれない」ことを意識します。患者さんは「髪」が「爪」がと変化した部分を訴えるため、苦痛の対象も単純にその症状と考えがちですが、本質はその先にあることを理解しておきましょう。ウィッグが欲しいという場合、ウィッグの情報提供だけで終わらせるのではなく、その方がなぜウィッグを必要としているか、主訴にとらわれないよう苦痛の本質は何かを考えます。
日常の臨床においては、同じ程度の症状でも全く気にせずに笑顔で生活されている方もいれば、家から出られなくなる方もいます。症状の程度と患者さんの苦痛の度合いは必ずしも比例しません。苦痛の本質とは何か、「①患者にとってその症状ががんの象徴であり、常に病気を意識させること、②変化した身体の違和感だけでなく、③他人にがん患者であることが露見し、かわいそうな人と思われ、それまでの対等な人間関係が失われてしまう不安」です。外見の悩みは多くの患者さんにとって、自分の身体像の問題だけでなく、社会関係性での悩みです。
いつ、誰に対して、何を目的に、どのような介入を行うのかを明らかにし、アピアランスケアの理論に基づいた患者さん支援、つまり「社会につなぐ支援」を意識します。
自分で実践できるように、どこまでならできそうか、何ならできそうか、その方がこの先、生活していくうえで、これならできそうという実行可能で自分らしいと思える方法を見つけることを目標としてかかわっています。
がん治療の皮膚ケア情報サイト はだカレッジ
薬物療法の皮膚障害の情報を提供するサイト。
患者・家族向けの情報と医療従事者向けの情報を掲載。
医療従事者向けでは、「皮膚に学ぶ・薬に学ぶ・症例から学ぶ」「外来で役立つ・病棟で役立つ・生活で役立つ」の6つテーマに分けた情報が得られます。
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hada-college/hcp/
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