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「患者さんと家族のための 乳房再建ガイドブック」 日本形成外科学会編 発刊

  • 公開日: 2024/7/12
一般社団法人日本形成外科学会(理事長:貴志和生)は、2024年7月10日に、新たに「患者さんと家族のための 乳房再建ガイドブック」を、医歯薬出版社から発刊しました。

「患者さんと家族のための 乳房再建ガイドブック」作成の背景

 現在、日本人女性の9人に1人が、生涯で乳がんに罹患すると言われていますが、その半数以上が乳房全切除となっています。乳房再建は、乳がん手術により乳房を失うことにより生涯において味わう、精神的な苦痛や生活の中での不都合を軽減するために、乳房の膨らみや乳頭乳輪を元通りに治すものです。しかし再建数が他の国と比べて少ないという現状があり、その大きな理由に、「再建に関する正しい情報が患者さんに届いていない」ことが上げられます。また地域や医療施設による「情報の格差」は顕著に見られます。

 乳房再建ガイドブックは、乳房再建をしたいと考えるすべての乳がん患者さんが、再建するしないも含め、選択の手助けとなるよう、情報を整理し提供するものです。

ガイドブックの構成

・「乳房再建とは」、「乳がん治療と乳房再建」、「インプラント再建」、「自家組織再建」、「脂肪注入」、「乳頭乳輪再建」と、乳房再建に重要な6つの章から構成しています。各章の最初はアウトラインで全体像をわかりやすくコンパクトにまとめました。

・「乳がんと告知され、これから乳がん治療と乳房再建を考えないといけない患者さん」、「乳房インプラント?自家組織?脂肪注入? 再建法が選べない患者さん」、「再建はひととおり完了。術後や長い目で気をつけていくことは?」など、患者さんやご家族が、その時々に抱える疑問や悩みに、やさしく寄り添うようにお答えしました。

・作成にあたっては、外来診療や患者会などで「患者さんからいただいたご質問300」を分類整理し、 PQ(Patient Question:患者さんからのご質問)とそれに対する回答A(Answer)を載せ、わかりやすく解説しました。全部で50のPQを掲載しました。

・「Shared Decision Making(SDM)」、「乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫(BIA-ALCL)」、「セクシュアリティ」などトピックス的な内容を、8つのコラムで詳しく取り上げました。

・より専門的に深く知りたい患者さんのために、乳房再建診療ガイドライン2021年版(日本形成外科学会編)を参照できるようにしました。

・付録として、枝葉的な細かい質問を「巻末Q&A」に、「乳房再建の料金」と合わせて確認できるようにしました。

・日本形成外科学会のトップページ(http://jsprs.or.jp)に、乳房再建ガイドブックの専用ページを作成しました。

・作成委員会として班長・班員46名、作成協力者として患者会2名、ブレストケアナース2名、乳腺外科医1名、放射線科医1名と多くの方々に参加していただき完成しました。 本書は評価委員による校閲後に、さらに査読には日本乳癌学会、日本医学放射線学会、日本放射線腫瘍学会、日本乳がん看護研究会からご協力いただきました。

・本書は患者さんやご家族が乳房再建のための正しい情報を得て、安心して治療を受けられるように作成しました。乳がん患者さんが乳房再建により本来のご自身を取り戻され、心身ともに健やかな日常を過ごせるよう願っております。

患者さんと家族のための 乳房再建ガイドブック
判型・頁:B5判 154頁
ISBN:978-4-263-73223-6
価格:定価3,080円(本体2,800円+消費税280円) 出版:医歯薬出版株式会社


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