急速投与が禁忌の薬剤を知っておきましょう!
- 公開日: 2015/2/4
急速投与が禁忌の薬剤について解説します。
関連記事
■輸液量と投与速度の決定
■点滴の投与量と投与速度はどう決められている?
急速投与が禁忌の薬剤を知っておきましょう
高濃度カリウム製剤や高濃度リドカイン製剤(点滴用リドカイン®10%)を誤って急速投与し、患者さんが死亡するという事故が起きたことを記憶に残している人は少なくないでしょう(点滴用リドカイン®10%は2005年に販売中止)。
このように、投与速度が輸液療法に致死的な副作用をもたらすことがあります。
このほかにも点滴速度に注意すべき薬剤は少なくないので、指示内容やラベル表示をしっかり確認しましょう。
投与速度を厳密に守らなければならない薬剤としては、急速投与により重篤な副作用の恐れがあるものが挙げられます。
前述のカリウム製剤をはじめ、抗不整脈薬、昇圧薬、抗菌薬などがあります。
これらは単独投与が禁止であることにも注意する必要があります。
急速投与をしてはいけない場合の目安として、
1. 体重によって基準量が決まっている薬剤かどうか
2. 血中濃度を一定に保たなければならない薬剤かどうか
という点をみていくと、おおよその判断に役立つでしょう。
ラベルや添付文書に、「ゆっくりと」「緩徐に」「○○を超えない速度で」「○○以上の時間をかけて」など、速度に関する記載がされている場合は、万全の注意を払います。
投与速度に注意すべき主な薬剤
(『ナース専科マガジン』2012年4月号から改変利用)
この記事を読んでいる人におすすめ
点滴の投与量と投与速度はどう決められている?
輸液管理にはさまざまな確認事項があります。ここでは、輸液を行う看護師が確実に押さえておきたい内容をまとめて解説します。 投与量と投与速度のキホンを知っておこう 維持輸液では、中心静脈を用いる場合は100mL時間を24時間かけて連続投与します。末梢静脈か
第3回 輸液量と投与速度の決定
輸液の投与量・投与速度 カテーテルは挿入できた。輸液ラインについても勉強した。それでは、次に勉強すべき内容は「どんな輸液を選択するか」、ということになりますが、『それはさておき』、輸液の投与量、投与速度をどうやって決定するか、というテーマを第3回として取り上げます。
滴下速度の変化にどう対応する?
滴下速度をきちんと計算しても、いつの間にか変わってしまっていたという経験がある人は多いのではないでしょうか。この滴下速度の変化に関する疑問に答えます。 Q. 滴下速度をきちんと計算しても、滴下数が変わってしまうことがあります。滴下速度の変化を防ぐ方法はあるのでしょう
[薬剤の影響]急変につながる高齢者のリスク
高齢者の急変は、気付いたときには重篤化していた! ということが多いもの。高齢者の心身の機能低下の仕組みを知り、急変リスクへの理解を深めておきましょう。 薬剤の影響の要因は? 加齢に伴って、予備能力が低下するため、高齢者は薬剤の影響を受けやすいとされています。 1
ヒヤリハットしない輸液管理|点滴筒の満たし方、輸液量の確認など
ヒヤリ・ハット事例発生場面の上位に入るのがこのケア。感染はもとより手技の誤りによる事故には注意が必要です。 輸液管理のリスクを理解しよう! 一般病棟でも末梢静脈を介した輸液療法を行っている患者さんは多く、日常的な看護の一環として捉えている人も少なくない