第18回 インスリン(分泌と作用)と糖尿病
- 公開日: 2015/6/30
糖尿病は、数ある疾患の中でも最も有名なもののひとつであり、糖尿病を理解するためにはインスリンホルモンの理解が不可欠です。
実務上は、「インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、糖尿病ではその働きが不十分なために高血糖をきたす」ということさえ知っていれば事足りるかも知れません。
しかし、その背景にある「糖代謝」という大きなストーリーの中で、インスリンの役割や糖尿病の病態を捉え直すことにより、より深い理解を得ることができるはずです。
インスリンの働きにより体は代謝にメリハリをつけている
まず、食事摂取によって得られた糖質の行方を概観してみましょう(下図)。
デンプンなどの多糖類は、唾液や膵液に含まれるアミラーゼによって、二糖類にまで分解されます。麦芽糖やショ糖のような二糖類は、そのままでは吸収が困難なため、さらに腸液のマルターゼやスクラーゼによって単糖類(ブドウ糖など)となり、その直後に小腸から吸収されて血中に移行します。
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