第22回 心窩部痛を訴える患者さん(その2)
- 公開日: 2015/11/23
今回の事例
[りーさん より提供された事例]
冠動脈バイパス術後のリハビリ期の患者さん。術後創痛があり、ロキソニンを頓用内服していました。ある日、「お腹が痛い、痛み止めがほしい」との訴えがありました。
→この患者さんに起こっていることは?
まずは、上記のような状況のとき、疑わしいと思われる疾患を挙げてもらいました。
みなさんの回答は、前回記事をご覧ください。
今回は、事例のつづきを読んで、前回挙げてもらった疑わしいと思われる疾患の中で、除外できるものはどれか、またそう考えた理由を聞きました。回答者数は96人。
事例つづき
[りーさんより提供された事例]
患者さんの血圧、体温、腸蠕動、腹壁状態、心電図、排便状況、その他の症状確認を確認しました。結果は、血圧変化なし、体温37度前半、腸蠕動良好、腹壁 筋性防御なし、心窩部軽度圧痛あり、心電図変化なし、排便 2、3日に1回あり、黒色便なし、悪心・嘔吐なし、胸痛なし、という状態でした。
山内先生の解説を先に読みたい方はこちら
■山内先生の解説
みなさんの回答
事例つづきを読んで除外できるものは? また、そう考えた理由は?
●心筋梗塞
→心電図変化なし。(いもさん)
●腸蠕動低下、便秘、出血、腹膜炎、ガス貯留
→黒色便なし、腸蠕動良好、2〜3日に一回排便あり。(VVVさん)
●ロキソニンによる副作用なので、除外できるものはありません。(CITYさん)
NSAIDsによる胃十二指腸潰瘍、バイパス縫合不全もしくは内部感染症(angelさん)
●腸閉塞 消化管出血
→腸蠕動 良好 血圧変化なし、悪心嘔吐なし、黒色便なしとあるため。(まるさん)
●急性腎不全(かなさん)
●消化管出血、肺塞栓
→肺塞栓なら、呼吸状態がもっと悪くなる。消化管出血なら、食事量がもっと減る。(おおにっちゃんさん)