1. トップ
  2. 看護記事
  3. 診療科から探す
  4. 消化器科
  5. ストーマ
  6. 【ストーマケア】どう改善する? 不適切なケアによる皮膚トラブル

【ストーマケア】どう改善する? 不適切なケアによる皮膚トラブル

  • 公開日: 2017/7/16
  • 更新日: 2020/3/26

【目次】


▼ストーマについてまとめて読むならコチラ
ストーマとは? ストーマケアについて


患者さんはどんな状態?

 50歳代男性Cさん。筋層浸潤性膀胱がんにて膀胱全摘のため回腸導管術を施行、右下腹部に尿路ストーマを造設しました。「漏れがないのに、袋の周りが赤くただれてしまい、かゆいので塗り薬がほしい」と訴えてきました。


原因はどこにある?

トラブルが生じている部位はどこ?

 Cさんの場合、皮膚保護材部の外部のみに皮膚トラブルが生じていました。本人にケアを確認したところ、漏れを心配し、皮膚保護材部の外周に医療用テープを貼付していることがわかりました。皮膚トラブルの部位と医療用テープの貼付部位が一致することから、医療用テープが原因と考えました(図1)。

受信時のCさんの皮膚の状態写真

 医療用テープは皮膚保護作用がなく、汗などの水分を吸収しません。Cさん宅は農家ですが、夏場の農作業で多量の汗をかき、医療用テープ貼付部の皮膚が浸軟したことで、皮膚の耐久性やバリア機能が弱くなり、皮膚トラブルを生じたと考えられました。

 また、強い掻痒感があり、浸軟があると皮膚表面のpHが高くなり細菌が増殖しやすい環境となるため、真菌感染の可能性も考慮しました。

ケアの方法を確認

 装具や医療用テープを交換する際に、剥離剤を使わず勢いよく剥がしていたことで角質層が損傷し、バリア機能が低下したと考えられました。加えて、洗浄はお湯のみであったため、皮脂や汗、汚れなどの残りが皮膚の生理的ターンオーバーを阻害し、皮膚トラブルが生じたと考えました。

アセスメントの POINT

 アクセサリーが接触している皮膚の部分に、過度の湿潤・擦れ・圧迫などの外的刺激が加わっていないか確認します。皮膚のトラブルが生じている場合は、部位・皮膚状態の変化・トラブルが生じている皮膚の状況(浸軟・乾燥・発赤・びらん・潰瘍・感染徴候など)を観察します。

 痛みやかゆみの症状もアセスメントの要因となるため確認しましょう。また、アクセサリーを不適切な方法で使用をしていないか確認します。アクセサリーが適切かどうかをアセスメントするためには、皮膚の状況と患者さん側の要因(体型・理解力など)を合わせて評価することで原因をみつけていきます。

原因に合ったケアを実施!

 皮膚の浸軟を防ぐためには、医療用テープを中止することが望ましいのですが、製品を変えることで継続して使用することもできます。

医療用テープの再選択

 皮膚保護材部の外部にテープを貼付する場合は、皮膚のpHを適切に保ち、汗などの水分を吸収するハイドロコロイド剤に変更するように説明しました。

洗浄はよく泡立てた石けんでやさしく

 Cさんは、皮膚がただれたため洗浄剤を使用しないほうがよいと考えて、お湯だけで洗浄していました。洗浄が不十分だと、皮脂や汗などの汚れで皮膚表面にほこりやアレルギー物質が付着しやすくなり、細菌を増殖させます。また、放置された汗が刺激となり、皮膚トラブルを生じやすくなるため適切な洗浄は不可欠です。

 汚れは泡に包まれて皮膚から落ちるため、装具交換時はよく泡立てた石けんでやさしく皮膚を洗浄するようにすること。ほかに、熱い湯は皮膚への負担がかかるとともに、かゆみを助長するため37~40℃くらいのぬるめの湯で流すように説明しました。

剥離はゆっくり愛護的に

 医療用テープを剥がす際に角質も剥がれます。角質は乾燥や外的刺激から皮膚を守る役割があるため、愛護的に剥がす必要があります。剥離時はテープを約180度に折り返し、皮膚がもち上がらないよう手で押さえながら体毛の方向に逆らわずゆっくりと剥がすことが大切です(図2)。

ケア後のCさんの皮膚の状態写真

 さらに、剥がす際に体毛が引っぱられ毛根に炎症(毛嚢炎)を起こすことがあるため、体毛はシェイバーを用いて処理するように説明しました。

薬剤の塗布

 Cさんには真菌感染はなかったことから、薬剤の塗布は必要ありませんが、ストーマ周囲に薬剤の塗布が必要な場合は、装具を貼付してから発赤部位などに薬剤を塗布するようにします。油分に薬剤を混ぜている軟膏は装具の貼り付きに影響するため、水やアルコールに薬剤を混ぜているローションタイプがよいといわれています。

 特に面板貼付部と薬剤を塗布する部位が重なる場合は、剥がれを予防するため、医師にローションタイプの薬剤の処方を依頼するとよいでしょう。

患者さんにどう指導する?

皮膚トラブルを改善して快適な生活に

 Cさんには、医療用テープを中止するほか、適切なスキンケア方法を指導したことで、皮膚トラブルは2週間ほどで治癒しました。強い掻痒感も消失したことで快適な生活につながり、その後も予防的なスキンケアが継続できています。

(ナース専科マガジン2015年10月号より転載)