パーキンソン病とは? 症状・診断・治療について
- 公開日: 2017/9/11
どんな疾患?
パーキンソン病は、1817年にJames Parkinsonにより初めて報告された神経変性疾患です。一般に、病態は脳血管障害などの基礎疾患から類似症状が出現する症候性パーキンソニズム(振戦、筋強剛、無動、寡動、姿勢反射障害などの症候を示す)とは類別されます。パーキンソン病では、大脳基底核の黒質緻密帯におけるメラニン含有神経細胞が変性・脱落し黒質で生産されるドーパミンが著しく減少します。中脳黒質にある正常なメラニン含有細胞は、神経突起を大脳基底核の線条体(尾状核・被殻)に伸ばして、その終末から神経伝達物質であるドーパミンを分泌します。パーキンソン病では、これらの働きをもつ神経細胞が変性し、脱落するためドーパミンが著しく減少し、そのため、大脳基底核の主な働きである運動調節機能が障害されて筋緊張や不随意運動などの運動障害が出現します。
どんな症状?
主な症状は、安静時振戦、筋強剛、無動・寡動の三大徴候に加え、姿勢反射障害(立ち直り反射障害)(図1-13)、歩行障害、自律神経障害(起立性低血圧、便秘、排尿障害、発汗異常)などがあります。また、表情が乏しくなる仮面様顔貌や、皮脂分泌の亢進による油漏性顔貌、唾液過多などの副症状や精神障害(抑うつ・認知症)を呈することもあります。