【連載】公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 分析テーマ
個別テーマについての検討状況|第13回報告書(2008年1月〜3月)③
- 公開日: 2010/1/4
【3】小児患者の療養生活に関連した医療事故
本報告書では、小児患者を一般的に小児科が対象としている15歳未満の患者とし、新生児(生後28日未満)、乳児(生後28日~生後1年未満)、幼児(生後1歳~6歳未満)、学童(6歳~12歳未満)、青年(12歳から15歳未満)と人間の発達段階で整理した。
小児患者の特徴は①養育・保育の過程であり成長・発達の途中である②臨床経過が急激に変化する③患者から直接情報を得たり、協力を得ることが難しい④治療の過程で患者のみならず両親、家族等の参加が必要である⑤初期症状から重症度判定をするのが難しいなどがあげられる。成長発達や家族等の参加は小児患者の療養生活に大きく関わってくる。
そこで、小児患者の療養生活に注目をし、本報告書では報告された15歳未満の小児患者の医療事故事例のうち「事故の概要」のコードの中から「療養上の世話」で選択されていた事例、及びそれ以外のコードの中からその報告内容が小児の療養生活に関連する事例を分析した。なお、本報告書でいう「小児の療養生活」は、医療機関における小児患者の入浴、排泄、栄養など日常生活に関することである。
(1)小児患者の療養生活に関連した医療事故の現状
平成20年1月1日から平成20年3月31日の間に報告された小児の療養に関連した事例は3件であった(図表Ⅲ-2-10)。
(2)小児患者の療養生活に関連したヒヤリ・ハット事例の現状
第26回ヒヤリ・ハット事例収集において、記述テーマにあげられた「小児患者に関連した事例」の中から、小児の療養生活に関連した事例について分析を行った。
ヒヤリ・ハット事例の発生状況の整理については、療養生活の内容を「食事(栄養)」、「清潔」、「運動」、「排泄」、「睡眠・休息」、「搬送・移送」、に分類して、小児の発達段階とあわせて整理した(図表Ⅲ-2-11)。
報告された事例の中から32件の事例概要を図表Ⅲ-2-12に示す。
参照:第13回報告書(PDF形式)小児患者の療養生活に関連した医療事故
情報提供:公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部