[医療機器] 新たな出生前検査法、妊婦の血液から胎児の血液型を判定
- 公開日: 2019/9/12
国立成育医療研究センター(成育研)は9日、同センターなどの研究グループが少量の妊婦の血液から胎児の「RhD血液型」を判定する新たな出生前検査法を開発したと発表した。
この成果により、日本人の一部で胎児の血液型の出生前検査が困難な症例でも分子遺伝学的な根拠に基づく診断・治療の方針が立てられるようになることから、国内でのRhD不適合妊娠の診断・治療方針を大きく変えることが期待されるとしている。
新たな出生前検査法を開発したのは、同センター研究所の周産期病態研究部と同病院の周産期・母性診療センター、東京慈恵会医科大産婦人科学講座、昭和大産婦人科学講座、聖マリアンナ医科大小児科学講座の研究グループ。
研究グループは、次世代シーケンサーで妊婦から採取した少量の血液を解析したところ、胎児のRhD血液型を判定することに成功した。この検査法を用いることで、従来の方法では判定できなかった症例での胎児のRhD血液型を判定することが可能となり、日本人を含めた東アジア人の症例の約99.6%をカバーできるという。
また、この新たな出生前検査法が確立されれば、胎児の血液型が分からない妊婦への度重なる検査が減るほか、予防的な血液製剤の投与によるリスクや医療コストの低減につながる可能性があると強調している。
今回の研究成果は、米国の臨床化学会誌「Clinical Chemistry」に6日付(日本時間)で掲載された。
(厚生政策情報センター)
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