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[診療報酬] 機能強化加算の妥当性検証を主張 中医協・総会で支払側委員

  • 公開日: 2019/9/12

 中央社会保険医療協議会の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は11日の総会で、2018年度の診療報酬改定で新設された機能強化加算の算定要件の見直しを視野に議論する必要性を改めて指摘した。

この加算が新設された直後のレセプトデータの分析で、全国での算定が178万回を超えることが分かっており、幸野委員は「初診料の算定回数の約1割にこの加算が付いている」などと強調した。その上で、中医協の診療報酬改定結果検証部会が近く取りまとめる18年度改定の検証結果を踏まえ、見直しを議論するよう呼び掛けた。

 20年度の診療報酬改定に向け、外来や入院といったテーマごとの第2ラウンドの議論を本格化させるのに先立ち、厚労省は11日、18年度の改定で見直したり新設したりした診療報酬の算定状況のデータを示した。
 それによると、機能強化加算の同年5月診療分(6月審査分)の算定は全国で178万3,064回、7月1日現在の届け出は病院が1,048カ所、診療所が1万1,793カ所だった。一方、糖尿病や高血圧症など慢性疾患を複数持つ患者への継続的な対応を評価する地域包括診療加算は、算定・届け出ともに「おおむね横ばい」(厚労省)で、幸野委員は「『かかりつけ医機能』を増やすために(これらの報酬が)同じように評価されていいのか」と指摘した。これに対し、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「算定対象が全く違う。この2つを比較すること自体がナンセンスだ」などと強く反論した。 
 機能強化加算は、専門的な治療を行う医療機関へ必要に応じて患者を紹介するなど、「かかりつけ医機能」を持つ医療機関が行う質の高い初診を評価するため18年度に新設された。診療所や病院(許可病床数200床未満)が、地域包括診療加算など「かかりつけ医機能」への報酬を届け出ると初診料に一律で80点を上乗せできる。

 健保連は8月、機能強化加算を算定しているかどうかによって患者の病気やけがに大差がないなどとするレセプトの分析結果を公表。20年度の改定でこの加算の算定要件を見直し、継続的な管理が必要な生活習慣病の患者などに対象を限定すべきだと提言した。 

(厚生政策情報センター)

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