[医療改革] 「22年危機」に備え、後期高齢者の原則2割負担を 健保連
- 公開日: 2019/9/14
健康保険組合連合会(健保連)は、社会保障の給付と負担の見直しに関する提言を公表した。
団塊世代が75歳に達し始める2022年から高齢者医療のための現役世代の拠出金負担が急増し、医療保険制度全体の財政悪化が進むことが見込まれると指摘。国民皆保険制度を持続可能な仕組みにするため、後期高齢者の医療費負担を原則2割とすることなどを提案している。
健保連は、急激な高齢化と現役世代の減少によって、現役世代から高齢世代への所得移転がさらに進むと説明。世代間だけでなく、世代内の給付と負担のアンバランスも顕著になるとした。また、22年から医療保険制度全体の財政悪化が急速に進むことが見込まれるとし、これを「2022年危機」と位置付けている。
さらに、高齢者医療費の負担構造を見直し、世代間・世代内の負担と給付のアンバランスを是正するとともに、公費の拡充などを行って現役世代の負担を軽減する必要があるとしている。
その上で、具体的な対応策として、低所得者に配慮しながら、医療費の負担割合を75歳になった人から順次2割とし、1割負担の人もできるだけ早く段階的に2割負担とすべきだと主張。また、年齢にかかわらず負担能力に応じた患者負担の割合のさらなる見直しを、中長期的に検討すべきだとしている。
また、後期高齢者医療制度の財源構成は本来、公費50%だが、現役並みの所得者の給付費には公費が入らないため、公費は全体で47%にとどまっていると指摘。本来は公費が入るべき約4,500億円分が現役世代の負担になっていることから、公費を投入するよう求めている。
◆市販の類似薬、保険給付から除外を
健保連は、保険給付範囲の見直しも提案している。薬剤費が年々右肩上がりで増え続けているため、保険制度を維持する観点から市販の類似薬について保険給付範囲から外したり、償還率を変更したりすべきだとしている。
(厚生政策情報センター)
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