[医薬品] ラニチジン塩酸塩の出荷停止に伴い患者対応を 厚労省が事務連絡
- 公開日: 2019/9/25
厚生労働省はこのほど、都道府県の衛生主管部(局)宛てに、ラニチジン塩酸塩などを製造販売する事業者からの製品出荷停止に伴う対応について、事務連絡を出した。
海外で微量の発がん性物質が検出されたことを受け、国内の製造販売業者に分析を指示したことを記載。薬剤の切り替えなどを希望する患者に対しては、医師や薬剤師に相談を促すよう求めている。
事務連絡の発出は、欧州医薬品庁(EMA)や米国食品医薬品局(FDA)などで、ラニチジン塩酸塩の製剤と原薬から微量のN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたことが発表されたことを踏まえた措置。検出の原因は、各国当局が協力して調査を進めているとしている。海外で検出されたNDMAの量は数ppm程度。現在、安全性の評価中で「結果がまとまり次第、お知らせする予定」としている。
同省は、ラニチジン塩酸塩または、ラニチジンと類似した化学構造のニザチジンを製造販売する国内の事業者宛てに、製品と原薬についてのNDMAの分析などを指示している。分析結果が明らかになるまで、新たな出荷は行わないこととしているが、「分析結果が明らかになるまでの間、NDMAの混入リスク等を示唆するその他の根拠がない限り、すでに市場に流通している製品の回収を行う必要はない」とした。
FDAは現時点では服用をやめることまでは求めていない。今回の事務連絡では、ラニチジン塩酸塩の服用について照会などがあり、ほかの薬剤への切り替えなどを希望する場合、ほかの治療選択肢について医師や薬剤師に相談するよう促している。また、今後新たに治療を開始する場合は、同様の効能・効果を持つほかの薬剤の使用を検討するよう、医療機関などに対して周知することを依頼している。
(厚生政策情報センター)
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