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[医薬品] 関節リウマチ薬の重大な副作用に肝機能障害追記 厚労省

  • 公開日: 2019/9/26

 厚生労働省は24日、新たに重大な副作用などが確認された医療用医薬品について、添付文書(使用上の注意)改訂の指示を出した。

改訂の対象となった医薬品は以下の通り。 
〔トシリズマブ(遺伝子組換え)〕商品名はアクテムラ点滴静注用80mg、同200mg、同400mg、アクテムラ皮下注162mgシリンジ、同162mgオートインジェクター。
点滴静注用は、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎などに効能・効果がある。
皮下注は、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、高安動脈炎などに効能・効果がある。
「重大な副作用」の項に「肝機能障害」を追記する。国内外の症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。肝機能障害の関連症例が11例(死亡症例はなし)で、このうち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例はなかった。 

〔オシメルチニブメシル酸塩〕商品名はタグリッソ錠40mg、同80mg。
EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんに効能・効果がある。EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんに効能・効果がある。
「重大な副作用」の項に、「中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑」を追記する。国内外の症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。中毒性表皮壊死融解症の関連症例はなかった。皮膚粘膜眼症候群の関連症例は5例(死亡症例はなし)で、このうち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は2例あった。多形紅斑の関連症例は3例(死亡症例はなし)で、3例とも医薬品と事象との因果関係が否定できない症例だった。 

〔バリシチニブ〕商品名はオルミエント錠4mg、同2mg。
既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)に効能・効果がある。
「重大な副作用」の項に「静脈血栓塞栓症」を追記する。製造販売承認審査時の臨床試験において本剤群でのみ静脈血栓塞栓症が認められており、肺塞栓症による死亡例も認められていたものの、いずれも因果関係が否定できない症例ではなかったことから、現行、添付文書の重要な基本的注意の項で注意喚起されている。今般、製造販売後に因果関係が否定できない国内症例が認められたことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。静脈血栓塞栓症の関連症例は5例(死亡症例はなし)で、このうち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例が1例あった。 

〔モキシフロキサシン塩酸塩〕商品名はアベロックス錠400mg。
適応菌種は、モキシフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌属など。適応症は、表在性皮膚感染症、咽頭・喉頭炎、肺炎など。
「重大な副作用」の項の「腱炎、腱断裂等の腱障害」の項を「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」とし、初期症状等の記載を整備する。専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した。腱障害の関連症例はなかった。モキシフロキサシン塩酸塩のほかに、フルオロキノロン系及びキノロン系抗菌薬(経口剤及び注射剤)の12剤も改訂の対象となっている。

(厚生政策情報センター)

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