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[医療提供体制] 医療機能の抜本的見直し、自治体・公的の424病院が対象

  • 公開日: 2019/9/27

 厚生労働省は26日、自治体や日赤などが運営する病院のうち424病院では、「再編統合」を含めて地域での役割を抜本的に見直す必要があるとする集計結果をまとめた。

がんなど9領域ごとの診療実績を、民間病院も含めて分析、これらの全ての領域で地域シェアが小さいか、「災害」などを除く6領域がほかと競合している自治体立・公的病院をピックアップした。 

 厚労省では、ほかの病院との吸収・合併だけでなく、病床規模の縮小(ダウンサイジング)や医療機能の分化・連携・集約化なども「再編統合」に含まれるとしている。 
 分析結果は、省内の「地域医療構想に関するワーキンググループ」に同日報告した。それを受けて同省では、2025年までにカバーする医療機能などを盛り込んだこれらの病院の「具体的対応方針」を、再編統合も視野に、地域ごとに見直しを話し合うよう各都道府県に近く通知で要請する。再編統合を伴う場合には遅くても20年9月末までに、再編統合を伴わないなら同3月末までに地域の関係者らの合意を得るよう求める。 
 それによって、自治体立や公的病院に民間ではカバーできない役割を担わせるのが狙い。 

 今回の分析は、全国の病院や診療所計4,549カ所が17年に行った病床機能報告のデータがベース。そのうち、自治体病院と公的病院計1,455カ所の分析結果を公表した。 
 「がん」「心血管疾患」「脳卒中」「救急」「小児」「周産期」「災害」「へき地」「研修・派遣」の9領域の症例数などを分析し、全ての領域で地域シェアが下位3分の1(33.3パーセンタイル)までの病院か、「災害」「へき地」「研修・派遣」を除く6領域が、「自動車で20分以内」の場所にあるほかの病院とシェアが同程度の病院は、抜本的に役割を見直す必要があるとみなした。 

 分析結果によると、役割の見直しが必要なのは1,455病院の約3割に当たる424病院で、内訳は自治体立が257病院、公的が167病院だった。 
 本格的な高齢化が都市部などで始まる25年を想定し、各都道府県がつくった地域医療構想を実現させるため、国は、自治体立・公的病院の具体的対応方針を当初は18年度中にまとめるよう要請。それを受けて各地で話し合いが進められてきた。 
 その結果、大半の病院が具体的対応方針をつくったが、地域での話し合いが「現状追認に終始している」という声があり、診療実績を「見える化」し、役割分担を改めて議論する必要があると判断した。

(厚生政策情報センター)

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