看護師は感情労働で成長できる!?
- 公開日: 2019/11/13
看護は感情労働
好きで始めた看護師という仕事。
一人ひとりの患者さん、ご家族の方達に向き合って、人の役に立ちたい、できるだけ、一人ひとりの希望をかなえたい、そう思って始めた看護師という仕事。なのに、長時間勤務が続き、無理な要求ばかりする患者さんに翻弄され、職場でいがみ合う人たちの愚痴を聞かされてばかりで疲れちゃう……、そんなこころの疲れた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
看護師という仕事は、広範囲にわたり、細やかな配慮が求められながら、ドクターと患者さんをつなぎ、ご家族に安心感を与え、職場ではスタッフの潤滑油として尽力する、まさに、「縁の下の力持ち」でありながらも、オールラウンドプレイヤー、それでいて、その苦労を理解してもらえる機会って少ない、そんな仕事かもしれないですよね。
「感情労働」という言葉をご存知でしょうか?
感情労働とは、看護師のみなさんのように、仕事の際に、何らかの感情を表出・制御することが求められ、緊張、忍耐などが不可欠の職務要素とされる労働のことです。
飛行機の客室乗務員を思い浮かべるとわかりやすいのではないでしょうか。常に笑顔が求められ、いつも落ちついた態度が求められていますよね。看護師というお仕事もまさに、感情労働。感情面に労働の負荷がかかりやすく、勤務中断続的にその負荷は続き、それでいて、仕事が終わっても「充足感や達成感を感じづらい」「精神的なストレスやプレッシャーを感じ続けている」大変なお仕事と言えるでしょう。
このコラムでは、そんな、毎日の中で、アップダウンを繰り返す「感情」と奮闘しているみなさんが、今の仕事が楽になり、職場が楽しくなる、そんなヒントがお届けできたら、と思います。
看護はEQを高められる仕事
EQ(Emotional Intelligence Quotient)ってご存知でしょうか?「感情能力」、「こころの知能指数」と言われ、自分や相手の感情を察知し的確に行動する能力のことです。このEQいう能力は、IQ(Intelligence Quotient)、知能指数とは異なり、磨き高めることができます。感情労働と言われる看護師という仕事は、このEQを高めることができる仕事なのです。EQは仕事に限らず、家族や友人、そして自分自身との関係など、プライベートでも活用可能な能力です。このEQという視点から、みなさんの仕事を見つめ直してみたいと思います。
EQは、年齢や性別、性格などには関係なく伸ばせる力、看護師のみなさんは、仕事を通じてこの力を磨き高めることができます。それも大変な苦行は必要なく、日々のちょっとした意識や行動を変えることで、どんどん鍛えられる能力です。頭を使えば頭が良くなる、身体を鍛えれば体力がつきさらに身体が丈夫になる、それと同じように、EQを鍛えると、自分の気持ちが楽になるだけでなく、周囲の方達ともっとうまくかかわれるようになり、もっと自分らしい働き方ができるようなるのです。いわば、看護師という仕事では、日々の仕事を通じて、人間力を高めることができる、ということでしょうか。
EQという観点から看護師という仕事を見つめてみることで、みなさんが、「ちょっと気持ちが楽になった」、「仕事が楽しくなってきた」、そう感じていただけるよう、次回は、みなさんの「EQ」をチェックしてみたいと思います。