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【連載】褥瘡ケア 創の見方と適切なドレッシング材

【材料一覧】ドレッシング材の種類・特徴と使い分け

  • 公開日: 2012/7/2

今回からは、ドレッシング材の選択におけるポイントと主なドレッシング材の種類・特徴を解説していきます。


まとめ記事
褥瘡とは?褥瘡の看護ケア|原因と分類、評価・予防・治療など
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目次

ガイドラインが推奨する使用方法

 まず、最初に日本褥瘡学会のガイドラインでは、ドレッシング材をどのように使用することを推奨しているのかを見ていきましょう。

浅い褥瘡にはドレッシング材が有用

 ドレッシング材の役割は、創傷の自然治癒過程に最も適した湿潤環境を提供するものです。浅い褥瘡(真皮までの損傷)の創周囲には線維芽細胞が豊富に存在しており、湿潤環境を整えることによって治癒が促進しやすい時期です。

 そのため、褥瘡予防・管理ガイドラインでもドレッシング材が有用だとしています。また、かわりに油脂性基剤の外用薬を用いてよいことを推奨度C1(行うことを考慮しても良いが十分な根拠がない)としています。

感染のない創に使用すること

 壊死組織は細菌繁殖の温床に、また過度な滲出液は正常な創傷治癒過程を遅延させるため、ドレッシング材を使用するのは「感染のない褥瘡」であることが基本となります。褥瘡予防・管理ガイドラインでは、慢性期の深い褥瘡に対し、薬剤による感染の制御、外科的な壊死組織の除去を優先するよう推奨した上で、「どのようなドレッシング材を用いたらよいか」も示しています。

 ガイドラインでは、前回まで解説していた、DESIGN(-R)のE・S・I・G・N・Pを大文字から小文字にすることを目的に、使用するドレッシング材を推奨度とともに挙げています。

ドレッシング材は特定医療保険材料

 ドレッシング材は特定医療保険材料であり、保険の適用上、下表のように保険上の使用区分が分かれています。医師が診断した上で、その創に適用したドレッシング材を選択しなければ、保険請求することはできません。しかも、保険適用期間は2週間、特に必要な場合には3週間の使用が限度になります。

 ただし、DPC(診断群分類別包括評価制度)を導入している場合は、入院治療においては費用が包括されるため、個別に算定し請求することはできません。ちなみに、ポリウレタンフィルムの費用は技術料に含まれ保険請求することはできません。

(表 保険の区分)
保険の区分

ドレッシング材の種類・材料一覧

 ドレッシング材の成分によって特徴が異なり、知っておくと選択に役立ちます。また、同じ成分でも製品によって特徴や形状が異なることがあります。ここでは主なドレッシング材の特徴や製品による違いなどを紹介していきます。なお、ドレッシング材は褥瘡の創だけに使用するものではありませんが、ここでは褥瘡への用途に視点をしぼり解説していきます。

ハイドロコロイドの特徴と使い方

成分と機能は?

 1. 親水性ポリマーと疎水性ポリマーから構成され、創の滲出液を吸収してゲル化することで浸軟を防いで適度な湿潤環境を保持する
 2. 水分や細菌を透過せず、酸素も遮断して低酸素状態の閉鎖性環境に保つことができるため、血管新生が促進されて肉芽組織が増殖できる
 3. 滲出液を吸収した成分のゲル化により、肉芽は損傷されず創面を保護する作用がある

適する創は?

 1. 赤芽形成期以後の滲出液の少ない創
 2. 真皮~皮下組織までの皮膚欠損創

メリットは?

 1. 粘着性があり、貼付しやすい
 2. 防水性外層があり貼ったまま入浴できる

ここに注意!

 1. 創の辺縁より2.5 から3cm大きめに貼る
 2. しわや隙間が生じないように創に密着させて貼る
 3. ゲル漏れが起こる前に交換する
 4. 滲出液の吸収性は少ないので、滲出液の多い創ではゲル漏れに気をつける
 5. ずれによる皮膚損傷が起こる場合はフィルムドレッシング材を貼る
 6. 短期交換では剥離刺激に注意
 7. 粘着力が強い時間に交換しなければならない場合は剥離剤などを用いて注意深く剥がす
 8. 貼付部位の皮膚の水分・油分を除去する
 9. 剥がしたあとは創内外のゲルを洗浄する
 10. 感染徴候が現れた場合は使用を中止する

主な製品は?

( )内は販売元 製品名などは2010年6月時点のものです。

【真皮に至る創傷用】
<標準型>

 1. アブソキュア(R)-サジカル(日東メディカル)
 2. 3M TM テガダーム TM ハイドロコロイド ライト(スリーエム ヘルスケア)
 3. デュオアクティブ(R)ET(コンバテック ジャパン)
 4. アスキナ(R)ハイドロ・トランスペアレント(ビー・ブラウンエースクラップ)

【真皮に至る創傷用】
<標準型>

 1. アブソキュア(R)-ウンド(日東メディカル)
 2. コムフィール(R)アルカスドレッシング(コロプラスト)
 3. 3M TM テガダーム TM ハイドロコロイド(スリーエム ヘルスケア)
 4. デュオアクティブ(R)(コンバテック ジャパン)
 5. デュオアクティブ(R)CGF(コンバテック ジャパン)
 6. レプリケア◇(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント/コロプラスト)

<異形型>

 1. コムフィールRペースト(ペースト状)(コロプラスト)

製品のポイント

 1. 真皮に至る創傷用の製品は、すべて半透明であり創の観察が可能
 2. 真皮に至る創傷用よりも皮下組織に至る創傷用のほうが、吸水性がある
 3. デュオアクティブ(R)CGFはデュオアクティブ(R)を改良し、創にゲルが残らないようになっている

ポリウレタンフォームの特徴と使い方

成分と機能は?

 1. 親水性ポリウレタンを使用したドレッシング材で、自重の約10倍の吸収性があり、吸収した滲出液や血液は逆戻りしないような構造になっている
 2. ゲル化しないため、創や皮膚に固着せず、脆弱な皮膚の欠損を防ぎ、肉芽組織を損傷しない

適する創は?

 1. 赤芽形成期~上皮形成期の創全般
 2. 真皮~筋層・骨に達する創
 3. ポケット、空洞のみられる創

メリットは?

 1. ハイドロコロイドよりも吸収性がある
 2. 創が浸軟状態になりにくく、ずれにくい
 3. バクテリアバリア性、防水性がある

ここに注意!

 1. 創より1.5 ~3cm大きめのサイズを選択する
 2. 上部から観察し、辺縁部から約1cmまで滲出液の広がりを認めた時点で交換する
 3. 感染が予測される場合は交換頻度を高め、密封固定しない
 4. シートの端がしわにならないように本品を創部に密着させる
 5. ハイドロサイト◇キャビティの場合、充填した創はフィルムドレッシング等で覆うこと
 6. 剥がすときは、隅からゆっくりと創面や周囲皮膚に負担がかからないように剥がすこと
 7. 滲出液が少ない創面やその周囲が脆弱な場合、除去が困難なことがある。ゆっくりと貼付面に対して180°逆方向にドレッシング材をもち上げるようにし、皮膚との接触部に生理食塩液等を入れたシリンジ等で流しながら少しずつ剥がすこと

主な製品は?

( )内は販売元 製品名などは2010年6月時点のものです。

【真皮に至る創傷用】

 1. ハイドロサイト◇薄型(スミス・アンド・ネフュー ウンドマネジメント)

【皮下組織に至る創傷用】
<標準型>

 1. ハイドロサイト◇プラス(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント)
 2. ハイドロサイト◇ADプラス(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント)
 3. ハイドロサイト◇ADジェントル(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント)
 4. ハイドロサイト◇プラスヒールタイプ(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント)
 5. メピレックス TM ボーダー(メンリッケヘルスケア)

【筋骨に至る創傷用】
<異形型>

 1. ハイドロサイト◇キャビティ(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント)

※2010年3月、「ハイドロサイト◇」「ハイドロサイト◇AD」は製造中止となり、「ハイドロサイト◇」「ハイドロサイト◇AD」を改良した「ハイドロサイト◇プラス」「ハイドロサイト◇ADプラス」が発売となった

製品のポイント

 1. ハイドロサイト◇プラスは、非固着性なので貼付後、周囲をテープ等で固定する
 2. ハイドロサイト◇ADプラスは粘着材が付いており被覆が簡便。伸縮性があり関節にも使用可能
 3. ハイドロサイト◇ADジェントルは「ハイドロサイト◇AD」で使用されている粘着剤を、剥離時の皮膚損傷リスクが少ない粘着剤(シリコーンゲル粘着)へと変更した製品
 4. メピレックス TM ボーダーはソフトシリコンの粘着剤を使用し、痛みや組織損傷のリスクを軽減
 5. ハイドロサイト◇プラスヒールタイプは踵に使える形になっている
 6. ポケットや空洞にはハイドロサイト◇キャビティを用いる

ハイドロジェルの特徴と使い方

成分と機能は?

 1. 吸収体にポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマーを含有し、70~90%以上が水で構成されるドレッシング材で、湿潤環境の維持が可能
 2. 水分含有量が多いことから、冷却作用があり、炎症や疼痛をやわらげる効果がある
 3. 自己融解を促進させる効果があるため、壊死組織の除去が可能

適する創は?

 1. 滲出液の少ない創
 2. 乾燥傾向の創
 3. やや乾燥気味の痂皮や壊死組織のある創(ジェル状タイプ)

ここに注意!

 1. 周囲の皮膚の浸軟に注意
 2. 乾燥すると硬くなり剥離しにくいため、生理食塩液などで湿らせながら除去する
 3. 透明ゲルが混濁してきたら交換する

主な製品は?

( )内は販売元です 製品名などは2010年6月時点のものです。

【真皮に至る創傷用・標準型】

 1. ビューゲル(R)(ニチバン) ・ニュージェル(R)(ジョンソン・エンド・ジョンソン)

【皮下組織に至る創傷用】
<標準型>

 1. ジェリパーム(R)【ウェットシートI型/II型】(日本ビー・エックス・アイ)

<異形型(ゲル状タイプ)>

 1. イントラサイト◇ジェルシステム アプリパックタイプ(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント)
 2. イントラサイト◇ジェルシステム コンフォーマブルドレッシングタイプ(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント)
 3. グラニュゲル(R)(コンバテック ジャパン)
 4. ジェリパーム(R)(日本ビー・エックス・アイ)
 5. アスキナ(R)ジェル(ビー・ブラウンエースクラップ)

製品のポイント

 1. ビューゲル(R)とニュージェルRは薄型のシートタイプで柔軟性があり創に密着する
 2. リウレタンフィルム等の二次ドレッシング材で覆う必要がある
 3. イントラサイトジェルシステム

コンフォーマブルドレッシングタイプは、ハイドロジェルをガーゼに含浸させたドレッシング材であり、アプリパックタイプは、ノズル付き容器を採用したもの

アルギン酸塩の特徴と使い方

成分と機能は?

 1. 昆布など海草から抽出されたアルギン酸塩を加工して作られ、自重の約20倍の吸収力がある
 2. ゲル化するときにカルシウムイオンを放出するため、局所の止血作用がある

適する創は?

 1. 滲出液が中等量~多量の創
 2. デブリードメント後の出血傾向の創

メリットは?

 1. 吸水性が高い
 2. 止血促進の効果がある

ここに注意!

 1. 貼付時に創面が乾いていたら生理食塩液で湿らせる
 2. ゲル化するときに膨らむため、創腔に充填するときは余裕をもたせる
 3. 創を十分に覆うことができるサイズにする
 4. 二次ドレッシング材から滲出液がしみ出してきたら交換する

主な製品は?

( )内は販売元 製品名などは2010年6月時点のものです。

【真皮に至る創傷用・標準型】

 1. クラビオ(R) FGライト(光洋産業)

【皮下組織に至る創傷用・標準型】

 1. アルゴダーム◇(スミス・アンド・ネフュー ウンド マネジメント)
 2. アクティブヒール(R)(日東メディカル)
 3. カルトスタット(R)(コンバテック ジャパン)・ソーブサン(R)(アルケア)
 4. クラビオ(R)FG(光洋産業/スリーエム ヘルスケア)
 5. アスキナ(R)ソーブ(ビー・ブラウンエースクラップ)

製品のポイント

 1. ポリウレタンフィルム等の二次ドレッシング材による固定が必要
 2. ほとんどの製品には、シート、リボン、ロープ状などの異なる形状がそろっている
 3. 「アスキナ(R)ソーブ」は親水性ポリマーであるC カルボキシメチル・ナトリウムMC-Naを含む繊維を使用し、さらに吸水性を高めている

ハイドロファイバー(R)の特徴と使い方

成分と機能は?

 1. 親水性ポリマーであるCMC-Na(カルボキシメチルセルロース-ナトリウム)を含む繊維を使用し、滲出液を繊維の縦方向に吸収して横方向への広がりを抑える構造になっているため、形状がくずれにくい
 2. 自重の25倍の吸収性がある
 3. 滲出液吸収時にゲル化し、細菌を含む滲出液をゲル内部に保持する

適する創は?

 1. 滲出液の多い創
 2. 創周囲が浸軟している創
 3. 感染が疑われる創(アクアセル(R)Ag)

メリットは?

 1. ほかのドレッシング材よりも吸水性と保持能力が高い
 2. 形状が崩れにくい

ここに注意!

 1. 滲出液が少なくなってくると、乾燥の恐れがあるため、ほかのドレッシング材に変更する
 2. ゲル化するときに膨らむため、創腔に充填するときは余裕をもたせる

主な製品は?

( )内は販売元です 製品名などは2010年6月時点のものです。

【皮下組織に至る創傷用】
<標準型>

 1. アクアセル(R)・アクアセル(R)Ag(ともにコンバテックジャパン)
 2. バーシバ(R)XC(コンバテック ジャパン)

製品のポイント

 1. 二次ドレッシング材による固定が必要
 2. アクアセル(R)Agは、アクアセルRに銀イオンの抗菌効果(緑膿菌・MRSA・VRE)を付したもので、感染の可能性のある創の使用に適している
 3. アクアセル(R)にはシート状とリボン状の形状がある
 4. バーシバ(R)XCは粘着層にハイドロコロイド、創接触部・吸収パッド層にハイドロファイバーを使用し、滲出液を吸収・保持し、水蒸気透過性を低く抑えた外層で、少量から多量な創に対応する(2010年4月に発売)

ポリウレタンフィルムの特徴と使い方

成分と機能は?

 1. 透明あるいは半透明のポリウレタンフィルムにアクリル系またはビニールエーテル系粘着剤がついたもの
 2. 水蒸気の透過性があり不感蒸泄を妨げないため、創面を細菌や水分など外部の汚染から保護しつつ湿潤環境に保持できる

適する創は?

 1. 上皮形成期以後の滲出液が極めて少ない創
 2. 上皮化完了後の創の保護
 3. 発赤・水疱

メリットは?

 1. 透明で観察しやすい
 2. 防水、バクテリアバリアとなる
 3. 二次ドレッシング、固定材として使用できる
 4. 表面がなめらかで摩擦予防できる
 5. 皮膚汚染の予防に利用できる
 6. 褥瘡発生リスクの高い部位に予防的に使用することができる

ここに注意!

 1. 滲出液の吸収性はないので滲出液のある創には使用しない
 2. しわにならないように貼付する
 3. テンションをかけて貼付しないようにする
 4. 剥離刺激が起きないように、除去するときは皮膚と平行にひっぱりながら除去する

主な製品は?

製品名などは2010年6月時点のものです。

 1. オプサイト◇フレキシフィックス、3MTMテガダームTMトランスペアレントドレッシングなど多数
 2. どの製品も技術料に包括

そのほかのドレッシング材

キチン

 カニの外皮から抽出したキチンからなるドレッシング材。吸水性に優れ、湿潤環境を保持。また、細菌の吸着・除去作用や、鎮痛・止血効果がある。
※商品名:ベスキチンRW、ベスキチンRW-A、ベスキチンRF(全てユニチカ)

ハイドロポリマー

 ハイドロポリマー・吸収パッド、不敷布吸収シート、ポリウレタン・カバーフォームの3層構造になっている。滲出液を吸収するとハイドロポリマー・吸収パッドが膨らむ。中等量から多量の創に適している。
※ 商品はティエール(R)(ジョンソン・エンド・ジョンソン)のみ

エキスパートからのアドバイス

 ドレッシング材はどんなものが揃っているといいのか、貼った後はどれくらいの期間で貼り替える必要があるのかなど、疑問に思うことはたくさんあるでしょう。

 エキスパートから、みなさんが疑問に思いがちな下記3点に関して解説してもらいました。

 * 最低限揃えておきたいドレッシング材
 * ドレッシング材の交換時期
 * ドレッシング材から滲出液・感染をみるポイント

最低限揃えておきたいドレッシング材

 さまざまな種類があるドレッシング材。コストや管理面からあらゆる種類を揃えられる施設は、そう多くはありません。限られたなかで、数種類しか採用できない場合、どのドレッシング材を揃えたらよいのでしょうか。

 まずは、「ハイドロコロイド」と「ポリウレタンフォーム」の2つを揃えることをおすすめします。

 その理由は、ハイドロコロイドは、小さな創で滲出液が少量であれば対応でき、ポリウレタンフォームは深い創や滲出液が多い創に対応できるからです。

 上記の2種類にプラスするならば、「ハイドロファイバー」に銀イオンの抗酸効果をプラスしたドレッシング材(アクアセル(R)Ag)をおすすめします。これは、滲出液が多く、感染の可能性がある創にも使えるためです。

 ただし、上記はあくまで一つの例です。院内にどういった創傷が多いかによっても、その選択は変わってきますので、状況をよく把握することが大切です。

ドレッシング材を貼ったら

 ドレッシング材を貼ったら日付をドレッシング材に直接記入し、誰がみても貼付した日や経過日数を確認することができるようにします。

 交換時期は、創の大きさや深さによって滲出液の量が異なるので、一概にいえませんが、どのタイプのドレッシング材でも、初回は必ず2、3日目で交換し、汚染度や創の状態を観察しましょう。創からの滲出液が少ないからと安易に1週間貼り続けていたら悪化していた、というケースも少なからずあります。最初のドレッシング交換は3日目くらいに剥がしてみて、汚染度や創の状態を評価することで、2回目からは3日間より長く貼れるか、そうでないかを判断する材料になります。なお、ドレッシング材は再使用はできないので、一度剥がしたら新しいドレッシング材に交換してください。

 ただし、滲出液が多くドレッシング材から漏れ出す場合は、ただちに交換しなければなりません。また、どのドレッシング材・フィルム材でも、最大1週間までの貼付になっています。

 選択したドレッシング材が適切なのか、そのドレッシング材を継続して使用してよいのかを判断するには、創のサイズが縮小した、滲出液が少なくなったなどの評価です。DESIGNやDESIGN-Rの評価に基づいて治癒への経過を確認できるのであれば、選択したドレッシング材は適切であったと判断することができます。

※(次ページでは、滲出液、感染を見るポイントについて解説します)

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