第3回 口腔ケアの具体的スキル
- 公開日: 2013/3/7
協賛:サンスター株式会社/主催:ナース専科
がん化学療法に伴い、高い頻度で発生する副作用である口腔粘膜炎や知覚過敏。これら口腔トラブルへのケアを学ぶ「明日から実践! がん化学療法時の口腔ケア」セミナーのレポート第3回は、北海道がんセンターの江戸美奈子先生がレクチャーする、口腔ケアの具体的スキルをレポートします。
第1回・2回はこちら
* 第1回 がん化学療法時の口腔ケア
* 第2回 口腔トラブルが起こるメカニズムとケアのエビデンス
がん治療前から始めたい口腔ケアの具体的スキル
北海道がんセンターに2012年4月に開設された歯科口腔外科で歯科衛生士として活動する江戸美奈子先生からは、「抗がん剤治療中の口腔ケアの実際」と題し、歯科衛生士ならではの具体的なケアスキルについて講義がありました。
トラブルが生じてからでは遅すぎる場合も
最初に、がん化学療法を受ける患者さんの口腔内は、歯周病などによって厳しい状況にあるケースが少なくないことを示した上で、「トラブルが生じてからケアをしようとしても遅すぎる場合があり、化学療法前からの口腔ケアの必要性を患者さんに説明し、理解を得ることが重要です」と指摘しました。
がん化学療法による口腔粘膜炎を予防する治療法はないため、治療前からできるだけ口腔環境を整備して、口腔トラブルを重篤化させないことが重要になり、「う歯や治療途中の歯がある患者さん、1年以上歯科を受診していない患者さん、歯肉の腫れや動揺歯がある患者さんには、積極的に歯科受診を勧めてください」と呼びかけました。
院内連携のための取り組み事例について話す江戸先生