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手術看護認定看護師に聞く! 手術室におけるSSI対策【PR】

  • 公開日: 2022/2/28
  • # 注目ピックアップ
  • # 手術看護

術後に発生する手術部位感染(SSI)の予防は、手術室看護師にとって重要な業務のひとつです。今回は、手術看護認定看護師である筑波大学附属病院の野口茂樹先生に、手術室におけるSSI予防対策と、手術室看護師が準備に携わる生理的組織接着剤ベリプラストP コンビセットについてお話を伺いました。


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手術室看護師とSSI


Q: はじめに、現在の日本でのSSI発生状況について教えてください。


 2020年1月1日~2020年12月31日を対象期間とした厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業によると、日本では、年間12,696件のSSIが発生しており、SSI発生率は4.4%(手術件数合計290,795件)とされています。どんなに優れた手術であっても、術後にSSIが発生してしまうと、発熱や疼痛のような身体的な苦痛だけでなく、入院期間の延長や再手術が必要になることもあり、患者さんにとっては大きな負担です。また、再手術に伴って高額の費用負担が生じれば、病院の経営としても好ましくありません。業務上、手術室看護師がSSIに直接的に関与してしまう可能性もあるため、SSI予防のためには、手術室看護師一人ひとりがSSIに対する意識を高めることが大切です。


Q: SSI発生予防として、手術室看護師にはどのようなことが求められるのでしょうか。


 SSI対策では、手術室看護師が術者や他の医師、スタッフへも積極的に情報を共有し、チーム一丸となって取り組むことも求められます。例えば、術野に不潔な器械類が出されてしまったとき、腸管等から内容物が漏出したときに、手術室看護師が「これは不潔ですから対応します」とはっきり意見を述べることができればSSIを防げる場合もあるかもしれません。手術室看護師が、どのように対応するかといったところにまで踏み込み、術中であっても、術者や他の医療者に対して自ら発言することが必要です。


Q: SSIが発生しやすい状況を教えてください。


 SSIは、全身状態が不良な患者さんや糖尿病等の基礎疾患がある患者さんに起きやすいことが特徴であり、手術室看護師は、術前から、患者さんの情報をしっかり把握することが重要です。また、出血量が多いときや、所要時間の長い手術、緊急手術では、SSIのリスクが高まります。例えば、ヘリコプターで搬送されてきた患者さんの緊急手術の場合、基礎疾患や合併症を含め、患者さんの基礎情報がわかりません。抗凝固薬を服用していればSSIのリスクが高くなるため、細心の注意を払い、最初から「SSIハイリスク症例」として対応します。心臓血管外科や呼吸器外科、脳神経外科等では、SSIのリスクが高くなる手術が多いため、特に注意が必要です。


筑波大学附属病院でのSSI対策


Q: 筑波大学附属病院の特徴を教えてください。


 当院は、全国の大学病院の中でも比較的手術件数が多いことが特徴です。緊急手術も多く、日々、重症で緊急性の高い患者さんが搬送されてきます。SSIのリスクが高い患者さんも多いため、SSIが確定的ではなくても、感染の可能性が少しでも否定できない場合はSSIと見なして対応する等、他院よりも厳しいといえる基準でSSI対策に取り組んでいます。


Q: SSI対策として、具体的にはどのようなことに取り組まれていますか。


 過去に消化器外科の手術でSSIの事例が続けて発生したことを機に、当院では手術中のSSI対策を全国に先駆けて取り組み、現在は閉創前にドレープや手袋を全て交換すること等を実践しています。また、術式ごとに看護業務がマニュアル化されているのはもちろんのこと、そのマニュアルを手術室のモニターに常に表示させています。術前は、まずモニターを立ち上げ、表示されるマニュアルの通りに準備を進めます。術中も、手術の全行程を把握できるだけでなく、機材や薬剤の準備・交換のタイミングも一目瞭然です。手術支援ロボット等の機械の説明書やトラブル時の対応方法も、すぐにモニターに表示できるようにしています。


Q: 手術中以外のSSI対策を教えてください。


 当院では、SSIのリスクを少しでも減らすために、手術室看護師は必ず術前から患者さんと関わるようにしています。看護師にとって患者さんに接する時間は何よりも大事だと考え、術前訪問は必ず実施しますし、日帰り手術でも手術前の外来診療時にお話しするようにしています。術前訪問では、全身状態や各種検査結果を把握するだけでなく、虫歯一つでも見逃せません。SSI発生リスクになり得ることがひとつでもあれば、必ず報告するよう義務付けられています。


Q: 術後の管理やフォローはどのようにしているのでしょうか。


 万一SSIが発生してしまったら、早期に発見することも重要です。当院では、術後の患者さんとの継続的な関わりも大切にしていて、手術室看護師が術後訪問も行います。SSIの発見は、発熱等の感染兆候だけでなく、食事を開始してから見つかった瘻孔や、リハビリを開始してから見つかった創部の可動域非改善・熱感等がきっかけになることもありますから、術後は医師や病棟の看護師だけでなく、栄養士、薬剤師、歯科医師等も含めた多職種との連携が必要です。院内全体の取り組みとしても、週に1回、SSIに関するカンファレンスを開き、院内の多職種がいかに連携してSSIを予防するかディスカッションしています。


SSIとベリプラストについて


Q: SSI対策のひとつとして清潔の徹底が挙げられます。無菌調製ができるベリプラストは、どのようなシーンで有用といえるでしょうか。


 心臓血管外科や呼吸器外科、脳神経外科のように、SSI発生に特に注意が必要な診療科の手術で重宝するのではないでしょうか。


 ベリプラストは、無菌調製ができることに加え、清潔と不潔の区別がはっきりわかることが特長であり、手順通りに行えば、誰でも清潔に準備を進めることができます。そのため、ベリプラストを使用している当院の手術室看護師において、間接介助看護師は薬剤の溶解、直接介助看護師は清潔野での薬剤吸引とスプレーノズルの取り付けと、役割が明確になっているので、直接介助看護師は調剤作業に気を取られすぎることなく、手術の流れや術者の動向に意識を向けられているように感じています。手術中、特にこうした製剤を使用するタイミングでは、直接介助の看護師が手一杯になっていることも少なくありませんから、ベリプラストのように、溶解済みの薬液を清潔のまま清潔野に出せることは、手術看護の安全性や業務効率の観点で有益だと思います。





【動画】ベリプラストのハテナがわかるよ![外回り編]


次のページでは、【動画】薬剤の調製方法[清潔野編]などをご覧いただけます


 

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