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周麻酔期看護師(PAN)とは|教育機関、資格制度、就労施設

  • 公開日: 2025/5/9

周麻酔期看護師(PAN)とは

 周麻酔期看護師(Peri-Anestheshia Nurse: PAN)は、大学院で麻酔の専門教育を受けた看護師で、麻酔前・麻酔中・麻酔後と周麻酔期を通して高度な看護実践を行います。PANの業務は施設によって異なりますが、術前麻酔科外来、手術麻酔、術後疼痛管理、手術室外での鎮静管理、無痛分娩、ペインクリニックなどその専門性を生かし幅広い臨床業務にかかわっています。

 各施設で中心となる手術麻酔業務では、患者さんが手術室へ入室してから退室するまで絶え間なく全身監視を担います。麻酔科医師と協働して、麻酔を導入し気道確保、麻酔器や人工呼吸器の設定変更、鎮痛薬の投与、輸液量や循環作動薬の調整など全身評価をしながら随時対応を行います。患者さんの安全のために必ず麻酔科の専門医と一緒に麻酔は担当します。日々の気道確保の経験は、麻酔前後の気道リスク評価や急変時の対応にも生かされており、PANの特徴の一つです。

 臨床業務以外の役割としては、施設内外での教育や研究活動、周術期や麻酔に関わる看護師や医療者間のコーディネートや調整など高度看護実践者としての役割が期待されています。麻酔を専門的に学びたい、麻酔に深くかかわってみたい、麻酔の知識を生かして自身のフィールドで働きたい方には是非PANの道をお薦めします。

周麻酔期看護師(PAN)になるには:教育機関と資格制度

 PANの教育は、大学院修士課程の周麻酔期看護学講座で行われています。現在日本で専門的に麻酔を学べる唯一の大学院コースです。2010年に聖路加国際大学で初めて教育が開始され、現在では全国複数の大学院で開講されています。働きながら学べる社会人入学が可能な大学もあります。

 入学要件としては、看護師資格を持ち手術室や集中治療領域で3年程度の臨床経験が必要です(大学院により異なる)。また大学院のプログラムには麻酔領域の特定行為研修が含まれています。日本周麻酔期看護医学会が認定するこの大学院プログラムを修了した看護師が、学会認定周麻酔期看護師になることができます。大学院修了後、学会への認定資格を申請し、書類審査と筆記試験に合格した者が正式に認定されます。

現在大学院で周麻酔期看護学講座を開講している学校:横浜市立大学信州大学奈良県立医科大学国際医療福祉大学名古屋市立大学聖路加国際大学(2025年5月現在、閉講。サイトを確認)

周麻酔期看護師(PAN)の就労施設

 教育課程のある大学附属病院や関連施設、大学院入学前の就労施設、新規のPAN導入施設などさまざまで、年々全国区で広がりを見せています。所属は看護部や診療部麻酔科など施設により異なります。また、多くの施設でPANの資格手当が支給されています。


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