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【連載】ICU・HCU看護のQ&A! 皆さんの疑問にお答えします!

膀胱留置カテーテルのテープ固定はしなくてもよい?

  • 公開日: 2026/6/29

Q.以前の職場では、膀胱留置カテーテルは必ずテープ固定をしていましたが、現在勤務するICUでは行っていません。固定はしなくても問題ないのでしょうか? 固定の必要性を判断するポイントを教えてください。
A.患者さんの病態や鎮静状況によって、固定はしなくても問題ないと判断されるケースもあります。せん妄による体動や自己抜去のリスク、患者さんの状態変化などを踏まえ、固定が必要かどうかを個別に検討しましょう。

テープ固定はしなくても問題ない?

 膀胱留置カテーテルは、尿道から膀胱に挿入し、先端のバルーンを膨らませて留置します。構造上、簡単に抜けないようになっているため、施設ごとに管理方法が異なる場合があり、患者さんの状態によって、固定しなくても問題ないと判断されるケースもあるでしょう。

 例えばICUの場合、人工呼吸器管理中で鎮静薬を使用していれば自己抜去のリスクは低いと考えられ、患者さん自身がカテーテルを引っ張る心配がない状況であれば、テープ固定をしないこともあるかもしれません。

 ただし、カテーテルが不意に引っ張られてしまうと、尿道損傷が生じたり、尿道口周囲の皮膚や粘膜が傷ついたりするリスクがあります。ここで重要なのが、「カテーテルが引っ張られない状態を維持できているかどうか」です。カテーテルが牽引されるリスクを回避するため、以下の点を確認しましょう。

●カテーテルに十分な余裕(たるみ)があるか
●カテーテルが引っ張られない位置に採尿バッグが設置されているか
●体位変換や頭部挙上の際に、カテーテルが引っ張られたり、巻き込まれたりしていないか

テープ固定の検討が必要な患者さんとは

 たとえテープ固定をしていたとしても、カテーテルが常に引っ張られる、あるいは頻回に引っ張られる状況が続けば、固定部の皮膚が表皮剥離を起こすリスクが生じます。さらに、テープが剥がれてしまえば、結局はカテーテルが引っ張られ、尿道や膀胱を傷つけてしまいかねません。

 固定には、「カテーテルの位置がずれないようにする」という目的もありますが、同時に「カテーテルの牽引を防ぐ」という視点も不可欠です。そのため、次のような患者さんでは、固定の必要性や固定する位置を個別に検討する必要があります。

●せん妄で体動が多くみられる患者さん
●覚醒時にライン類に触れてしまう(自己抜去リスクがある)患者さん
●離床やリハビリテーションで身体を動かす患者さん

 特にICUでは、日ごとの変化にとどまらず、数時間単位で患者さんの状態が変わります。例えば、「鎮静薬を減量・中断したら、どのような変化(体動や覚醒など)が生じる可能性があるか」といった、数時間後の患者さんの姿を想像しながら先回りして判断していくことが求められます。

皮膚トラブルを回避するための工夫

 テープ固定には、どうしても皮膚トラブルのリスクが伴います。特にICUの患者さんの場合、侵襲に伴う一時的な栄養状態の低下や体液貯留など、さまざまな要因で浮腫が生じやすい状態にあります。

 また、高齢の患者さんであれば皮膚が脆弱なうえ、発汗や下痢による皮膚の浸軟、ステロイド使用による皮膚の菲薄化などが加わることで、テープによる表皮剥離や発赤のリスクが高まります。デバイス類の影響や熱傷などにより、テープを貼ること自体が困難なケースもあるでしょう。

 このような場合は、単に「固定しない」で済ませるのではなく、皮膚保護剤の使用、固定部位の変更、専用固定具への切り替え、皮膚に強いテンションがかからないような貼付方法の工夫などを検討します。それと同時に、そもそも本当に固定が必要なのか、固定するメリットとデメリットを評価し、固定により得られる利益と皮膚トラブルのリスクを毎日見直す姿勢が大切です。

カテーテル管理における日々の観察ポイント

 日々の観察では、尿量や色調、浮遊物の有無だけでなく、尿道口やその周囲に発赤、腫脹、熱感、出血がないか、カテーテルが引っ張られていないかを確認します。採尿バッグは膀胱より低い位置に置き、カテーテルの屈曲や圧迫で尿の流れが妨げられていないかも合わせて確認しましょう。頭部挙上、体位変換、清拭、シーツ交換、離床やリハビリテーションの直後は固定がずれたり、採尿バッグが引っ張られたりしやすいため、ケア後の確認を習慣づけることが重要です。

 看護師として大切なのは、固定の有無にかかわらず、尿道や尿道口に異常が生じていないか、尿がスムーズに流れているか、患者さんの安全を守れているかを観察し、評価することです。膀胱留置カテーテルの固定は、患者さんの安全を守り、適切な排尿管理を行うための一つの手段に過ぎません。「今の患者さんの状態において、この管理方法が本当に適切で安全か」を常に意識しながら、日々の観察とケアに努めましょう。

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