1. トップ
  2. 看護記事
  3. 症状から探す
  4. 第6回 体位排痰法をマスターしよう!

【連載】吸引困難5大ケースを攻略する!

第6回 体位排痰法をマスターしよう!

  • 公開日: 2014/2/16

今回は困難ケースの解説をお休みして、ここで体位排痰法の手順について解説します。
患者さんの全身の状態を十分にアセスメントした上で、手早く実施しましょう。


長期臥床患者さんによくある左下葉貯痰への体位排痰法

術後や意識のない患者さんは、仰臥位で長時間過ごすことにより、左下葉などに分泌物が溜まりがちです。
自力での喀出が困難な患者さんには、体位排痰法で痰を移動させます。

例えば、胸部X線や聴診などで痰が左下葉に溜まっている部位を確定したら、その部位が上になるようにポジショニングします。
望ましい体位はギャッジアップした前傾60°です。数十分くらいで痰が移動するといわれているので、胸の聴診などで評価していきます。
患者さんの状態によっては禁忌となる体位もあるので、事前に確認しておくことが大切です。また、この前傾60°の姿勢は、つらい体位になる患者さんもいるので、調整が必要となります。

例えば、いきなり60°にすると循環動態に影響が出るので、循環動態を見ながら、最初に20~30°後方に傾けた側臥位をとり、次に60°傾け、循環動態が安定したら身体を垂直にし、その後前傾60° の姿勢を維持します。

数十分たったら40~60°ギャッジアップから背面開放座位、端座位を目指すようにします。前傾60°の度体位保持時間については、痰は前述のように、数十分を目安に音を聞きながら評価して、維持する時間を決めるといいでしょう。

(左)後傾20~30°イラスト図(右)後傾60°イラスト図

(上)後傾20~30°
(下)後傾60°

(左)垂直イラスト図(右)前傾60°イラスト図

(上)垂直
(下)前傾60°

※続いては、「体位排痰法の基本」について解説します。

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

【術後リハ】呼吸器合併症を起こしてしまった患者さん

今回は、肝臓がん術後呼吸器合併症を起こしてしまった患者さんについて解説します。 ▼術前・術後の看護について、まとめて読むならコチラ 術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防など) 【事例】 呼吸器合併症を起こしてしまった患者さ

2017/5/30