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【連載】吸引困難5大ケースを攻略する!

第5回 意識レベルが低くて吸引しにくい患者さんへの対応

  • 公開日: 2014/2/9
  • 更新日: 2021/1/5

困難を感じたことがある上位に挙がった5つのケースについて、具体的な解決法を紹介します。どこに問題があるのか、あなたの体験した吸引の「困難ケース」について、じっくり再考してみませんか?

攻略法 個々の患者さんに合った排痰法を実施しよう!

意識レベルの低い患者さんの場合は、患者さんからの反応が期待できないため、状態についての情報収集が看護師の観察力にかかってきます。
例えば、吸引の必要性のアセスメントです。
ICUなどで人工呼吸器を装着した患者さんであれば、吸引の必要性をアセスメントするときも、気道内圧の上昇やグラフィックモニターの波形の揺れなどから判断できます。

しかし、慢性期病棟ではそういうわけにはいきません。患者さんの呼吸状態、呼吸音など、看護師の五感を生かした観察力が求められるのです。

さらに、吸引処置を行う際も、同様です。例えば、吸引チューブを気管に入れるという基本的な操作においても、咳嗽反射がない患者さんの場合は、チューブが気管に入ったのか、それとも誤って食道に入ってしまった可能性はないのか、すぐにはわかりにくいです。そのような場面では、吸引された物で判断しますが、それが痰なのか胃の内容物かで見分けます。

意識レベルが低下している患者さんの吸引にはさまざまな困難点がありますが、スキルを磨くには看護師としての観察力を高めることが大切です。例えば、顔の位置を少し変えるだけで、吸引チューブが入りやすくなることもあります。このように、患者さん個々の状況に合わせた工夫とともに、他の排痰法も併せて検討していくことが大切です。

※続いては、「排痰法の選択」について解説します。
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意識低下の原因を捉える

排痰ケアを検討する前に、まずは、その患者さんの意識レベルが低下している原因が何かを、いま一度、捉え直すことが大切です。例えば、脳血管系の疾患の患者さんの場合は、吸引による低酸素状態によって脳浮腫が増加し脳圧が亢進するため、吸引による急変のリスクも高くなるので、処置には注意が必要だからです。

状態にあった排痰法を選択する

原因を把握したら、次は患者さんの状態に適した排痰法を選択します。吸引以外の排痰法には、体位排痰法や咳嗽、ハッフィング、呼吸介助法、加温加湿、早期離床などがあります。このとき、どうして痰を喀出できないかを考え、その原因を解消するための手段を考えて、できるだけ患者さんの身体に負担をかけない方法を選択します。

ただ、排痰法は一つだけで問題が解決するとは限りません。
例えば、術後の患者さんは、痛みで咳を出せないので疼痛をコントロールすることによって咳ができる環境をつくり、咳で痰が上がってくるようにします。痰が上がってきたところで、必要であれば吸引をします。
いくつかの方法を組み合わせることで、スムーズな吸引、排痰が可能となるのです。

多職種と連携しチームで動く

排痰法を検討したり組み合わせたりする際には、多くの場合、医師への確認が必要になります。
例えば、早期離床は急性期の患者さんの状態を医師と確認しながら行う必要がありますし、体位排痰法では疾患によっては禁忌となる体位もあります。
また、呼吸介助法や呼吸筋ストレッチなどではリハビリ科や理学療法士との連携が重要となります。

いくつかの方法でスムーズな排痰を行うためには、私たち看護師も、自分たちだけで全てを行うのではなく他職種と協働してチームとして患者さんをサポートしていくことが大切になるのです。

(ナース専科マガジン2012年12月増刊号『一冊まるごと呼吸ケア』より転載)

次回は、「体位排痰法」について解説します。

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