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【連載】吸引困難5大ケースを攻略する!

最終回 急変リスクが高い患者さんへの吸引

  • 公開日: 2014/3/2
  • 更新日: 2020/3/26

困難を感じたことがある上位に挙がった5つのケースについて、具体的な解決法を紹介します。どこに問題があるのか、あなたの体験した吸引の「困難ケース」について、じっくり再考してみませんか?


攻略法 吸引による急変リスクを見逃さない!

侵襲性の高い吸引は、循環動態にも影響を及ぼすことがあるので、自分が吸引したことで患者さんが急変するのでは? と心配になるという声はよく聞きます。開放式吸引では、吸引中は患者さんは無呼吸状態になるので、もともと低酸素の傾向がある患者さんへの処置は、さらなる低酸素化や呼吸状態の悪化を招きます。

そのほか、例えば術後などで、循環動態が安定していないときに吸引すると、迷走神経反射が起こり、血圧が一気に低下してしまうこともあります。また、緊張性気胸では、咳をしただけで循環動態が変動することもあります。

吸引は看護師にとって緊張を強いられる処置ですが、吸引による急変リスクの高い疾患や観察ポイントを把握して、適切なアセスメントにつなげましょう。また、万が一、患者さんが急変した場合、適切に対応できるようにしておくことも大切です。

※続いては、「吸引時に注意したい疾患」について解説します。
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リスクの高い疾患を把握する

吸引による急変リスクの高い疾患を把握しておくことは、吸引ケアではとても大切です(下記参照)。

吸引時に注意したい疾患

  1. 循環器疾患(吸引刺激が循環動態に大きく影響する) ↓ 心不全、解離性大動脈瘤、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後不整脈など
  2. 呼吸器疾患(低酸素の悪化が懸念される) ↓ 呼吸不全、気胸、COPD、肺がんなど
  3. そのほか ↓ 脳神経疾患全般、頸椎損傷、感染拡大の危険性があるMRSA、真菌性肺障害など

ただし、吸引には絶対禁忌がないため、適切なアセスメントに基づく限り実施の判断は下せます。生命に影響を与えるようなリスクの高いケースについては、医師とともに行い、予測される急変事態に対応できるように準備をしておく必要があります。

万一、急変したときの行動を確認する

吸引中は、人工呼吸器や心電図のモニター、顔色などを一回の吸引操作ごとにチェックします。その際、経皮的酸素飽和度モニターには、数十秒~数分遅れて変化が現れる場合もあるので、注意が必要です。

吸引中に患者さんの状態やモニターなどに異常を感じたら、吸引チューブを抜き、直ちに吸引を中止します。すぐにほかの看護師の応援を呼び、医師に連絡・対処をします。

(ナース専科マガジン2012年12月増刊号『一冊まるごと呼吸ケア』より転載)

「吸引困難5大ケースを攻略する!」は今回で連載終了です。