第8回 こんなときどうする? 高齢者の血糖コントロールがうまくいかない!
- 公開日: 2015/9/7
高齢者の場合は、加齢に伴う身体的特徴から、成人とはまた異なる理由で血糖コントロールがうまくいなかなくなることがあります。
そのため、高齢者の身体的特徴をしっかり理解して、個々の患者さんに応じた適切なケアや指導を行うことが大切です。
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【糖尿病】血糖コントロールの指標と方法
ケース4 高齢患者さんの血糖コントロールがうまくいかない!
高齢者の血糖コントロールが不良のときはこうする!
高齢者の場合、加齢に伴う腎機能の低下による薬物排泄の遅延と低血糖に注意しなければなりません。前者に対する対応としては、腎排泄型や長期作用型、血糖低下作用の強い薬剤を使用する場合は、少量から投与を開始し、緩やかに増量するようにします。
また後者については、低血糖を起こしやすい条件(図1)を踏まえ、投与時および投与後の観察を慎重に行います。薬剤による重症低血糖は、シックデイに発症することが多いため、その場合の対処法を指導しておくことも必要です。
低血糖かどうかを判断する場合、一般的な判断材料以外に、高齢者特有の訴えや症状がないかにも注意します(図2)。
高齢者の日常的な血糖管理の目標値は、空腹時血糖値140mg/dL未満、HbA1C 7.0%未満、糖負荷後2時間血糖値250mg/dL未満とされ、糖尿病合併症の発症・進行抑制の観点からは、成人と同じ正常値まで改善することが望ましいといえます。
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