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【連載】注射・採血・輸液の手技徹底攻略!

痩せている患者さんの皮下注射はどこにする?

  • 公開日: 2023/9/1

Q. 痩せていて、皮膚をつまんで皮下注射を行おうとしてもつまんだ皮膚が薄くて危険に感じます。このようなとき、どうすればよいでしょうか。

A. 痩せている人でも大腿部の内側であれば比較的脂肪が残っていることがあります。

腹部以外であれば、大腿部内側も確認してみる

 皮下注射の穿刺部位は、安全性や痛みへの配慮から、皮膚の近くに骨がなく、神経や血管が少ない部位が適しています。例えば、腹部や上腕伸側(上腕の後ろ側、肩先と肘先の間を3等分したときの下から1/3の部位)や大腿前外側中央部(股下から膝までの3等分の中央部分)などが挙げられます。

 高齢患者さんでは、穿刺部位は比較的皮下脂肪が多い腹部(臍周囲以外)を選択することが多いです。腹部も痩せている場合は、大腿部の内側に脂肪が残っている場合があるので確認してみましょう。

 穿刺の際は、皮膚をやさしく持ち上げるようにつまみ、皮下組織の範囲を広げて、約45°の角度で針を刺入します。皮下脂肪が少ない患者さんの場合、針が皮膚を突き抜けてしまうことも考えられます。そういったときに自分の手に刺さらないように、針の挿入方向には手を置かないように注意しましょう。

図 大腿部内側への皮下注射

大腿部内内側への皮下注射


図/ふるやますみ

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