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【連載】注射・採血・輸液の手技徹底攻略!

皮膚が脆弱で駆血帯が巻けない高齢者の駆血はどうする?

  • 公開日: 2023/8/25

Q. 皮膚が脆弱で、駆血帯も巻けない高齢者への採血や静脈注射はどのようにすればよいでしょうか。

A. どうしても駆血帯が巻けない場合は、手で圧迫するとよいでしょう。この場合、看護師の片手がふさがります。安全に実施するためには、2人で実施しましょう。

皮膚を直接圧迫しないように配慮

 高齢者は、加齢により皮膚が脆弱化しているため、駆血帯で皮膚を直接的に圧迫しないように配慮します。衣服の上、もしくはタオルを当てて、その上から駆血帯を巻くとよいでしょう。また、駆血帯は幅が広いものを使用したほうが皮膚にかかる圧を軽減できます。

 皮膚に潰瘍が生じている、あるいは、乾燥により表皮剥離がある場合は、保湿剤で保護してから、駆血すると皮膚への摩擦を減らすことができます。さらに皮膚損傷のリスクが高い患者さんでは、駆血帯を使わずに手掌で圧迫して駆血する方法も考慮します。例えば、腕の静脈から採血や注射をする場合は、肘から10cmほど上のところを親指から人差し指までのカーブを使って押さえます(図)。

図 手での圧迫の仕方

採血時の手での圧迫の方法
肘より10cmくらい上のところを親指から人指し指のカーブを使っておさえる

 採血が目的であれば、医師に相談し、その必要性を検討し直し患者さんへの負担の軽減を図ることも重要です。また、動脈血からの採血が可能かどうかも検討します。


図/ふるやますみ

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