高齢の拘縮が強い患者さんの血管探しと固定はどうする?
- 公開日: 2023/10/7
Q. 高齢の拘縮が強い患者さんの血管が探しにくいです。ようやく血管を見つけたとしてもすぐに漏れてしまったり、ルート固定のテープでスキン-テアを起こしたりしてしまいます。血管探しや固定の仕方のコツがあれば教えてください。
A. 拘縮があっても基本的な穿刺部の選択方法は変わりません。固定の際は、皮膚被膜剤を使用して保護するとよいでしょう。
左右の上肢下肢をよく観察して選択する
関節の拘縮は、廃用性の筋委縮、加齢、疾患によるものなど、高齢者でよくみられますが、基本的な穿刺部位の選択方法は変わりません。左右の上肢、もしくは下肢をよく観察し、できるだけ真っすぐで、太く弾力のある血管を選択します。ルート確保における穿刺では、全介助など活動性が低い患者さんの場合、下肢の血管を選択することも一つの方法です。
固定に使用するテープ材などは、患者さんの皮膚の状態をよく観察して選択します。脆弱な皮膚の場合、刺激が少なく皮膚にやさしい粘着剤を使用したカテーテル固定用のフィルムドレッシング材や紙テープを使用するとよいでしょう。テープなどが剥がれやすい場合は、その上から包帯やネットを巻いて固定します。いずれにせよ、固定後は点滴の確認とともに皮膚を観察することが重要です。
またスキン-テアは、テープ材などを剥がす際の剥離刺激により生じることがあります。テープ固定の前に、皮膚被膜剤を塗布して皮膚を保護すると、テープが剥がれやすくなり、剥離刺激を軽減することができます。テープなどを剥がすときは、周囲の皮膚を手で押さえながら、150度くらいの角度で、ゆっくりと剥がすようにします。さらに、剥離剤(アルコールを含有していない製品)を塗布しながら剥がすと、より剥離刺激を軽減させることができます。
皮膚の表面に撥水性の皮膜を形成することにより、便・尿などの刺激物やテープなど粘着製品の剥離刺激から皮膚を保護する製剤です。セキューラ◇POや撥水性と保湿機能をもつリモイス®バリアやセキューラ◇DCなどの製品が市販されています。
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