【連載】こんなときどうする? 採血・注射・輸液の困難ケース攻略法
知っておきたい! 採血・注射・輸液攻略のための4つの心得
- 公開日: 2025/6/30
心得1 基本と原則はやっぱり大切!
どんなに難しいケースでも、手技はやはり基本と原則に忠実に行うことに尽きます。例えば、解剖生理学を頭に入れておくことは、基本中の基本。上手な人ほど頭の中で血管や神経の走行をイメージして、指先の感覚を研ぎ澄ませて血管を探しています。また、手順を省略するのはとても危険です。すべての手順に理由があります。何かを省くと、それだけ患者さんへのリスクを高めてしまう可能性があります。必ず一連の手順に沿って処置を行いましょう。
心得2 準備はしっかり怠りなく!
下準備をきちんとすることは、採血・注射・輸液の手技を上手に行うための最大のコツです。トレーの上に必要なものがすべて整っているか、しっかりと確認します。必要なスピッツのラベルの確認をしたか、アルコール綿は十分にあるか、テープをあらかじめ切ってあるか、予備の針はあるか……。患者さんの前で慌てないように、万全な備えが心の余裕をつくりだします。
心得3 できなくてもチャンスは2回まで!
うまく血管に穿刺できなくて、何度も繰り返し行うことは、患者さんに痛みを与え不安を増大させます。そればかりか、看護師にとっても回数を重ねるほど自信喪失につながることもあります。何度もやり直すのではなく、やり直しは2回くらいまでを目安にして、それ以上になりそうであれば、他の看護師の助けを呼び、手を替えて試みてみましょう。必ず自分で行わなければならないとは思わず、柔軟に対応することが大切です。
心得4 上手な人のワザをどんどん盗もう!
注射が下手、苦手という人は、上手な人の手技に立ち会わせてもらうのが最良の方法ですが、誰でも見られていると緊張するもの。処置後に、どこをどのように狙えばうまくいくのかを聞いてみたり、患者さんに一言断って注射痕を見せてもらったりなど、うまくいく方法を繰り返し知ることが、上達への近道です。