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【連載】人工呼吸器 アラーム対応のキホン

呼吸回数(換気回数)上限アラームの原因と対応

  • 公開日: 2013/11/9
  • 更新日: 2020/3/30

メーカーや機種によって、表示も名称も異なるのが人工呼吸器のアラーム。たくさんの種類をすべて記憶するのは大変難しいことです。そこで今回からは、人工呼吸器にとって主要なアラームをピックアップし、原理原則と対応の基本をまとめました。



▼人工呼吸器について、まとめて読むならコチラ
人工呼吸器のアラームの原因と対応


どんなアラーム?

 呼吸回数が設定値を超えたことを知らせるアラームです。呼吸回数が増えるということは、呼吸筋の仕事量が増大し、疲労を来す可能性を示しています。同時に、1回換気量が減少し、死腔だけにガスが出入りする状態になる可能性もあるので注意が必要です。

 原因として第一に重要なのは、呼吸状態の悪化です。人工呼吸器をつけているのに呼吸が楽になっていないのですから、病状の変化に合わせて人工呼吸器の設定を変更する必要があります。

 不安や疼痛、発熱、興奮などによって一時的に呼吸数が増加している場合は、その理由を探り、鎮静薬や鎮痛薬の投与、安静、不安の軽減、冷罨法などの治療・ケアを行います。

対応の原理原則

 ファイティングやバッキングがあり、咳があると呼吸回数としてカウントしてしまうためにアラームが鳴ることがあります。換気の設定が患者さんの状態に合っていなければ設定を変更します。気道内の分泌物や気管チューブなどによる刺激の有無を確認し、必要に応じて気管内吸引などの処置を行います。
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 また、加温加湿器の滅菌精製水の量や設定をチェックし、調整します。吸引した痰の粘稠度が高いときは加湿が不十分である可能性がありますから、加温加湿器の設定を調整します。ただし、加湿のし過ぎは蛇管内の結露などの問題を招くので注意しましょう。

 PCV(圧規定式換気)モードでPSV(プレッシャーサポート)の圧が低すぎることが原因でアラームが鳴ることがあります。PSVの圧が、患者さんの自発呼吸の吸気努力に対して不足していて、患者さんにとって「吸い足りない」状態になるために、呼吸回数を増やして対応しようとしているのです。

 フロー曲線で、吸気の後半が上向きに凸の形をしているときは、「吸い足りない」状態と考えられます。またこの場合、吸気の際に鎖骨上部に陥没が見られることがあります。このような状態のときには、PSVなどの設定を変更する必要があります。

設定値のめやす

 1. アラームの設定が低すぎると少しの変動でアラームが鳴る
 2. 呼吸回数アラームの設定は30回/分程度が一般的
 3. トリガーの感度が鋭敏すぎてしゃっくりや心拍などの動き、蛇管内の結露などによって発生するノイズを拾って自発呼吸とカウントしてしまうこともある
 4. トリガーの感度も患者さんの状態に合わせて調整する

呼吸回数上限アラーム対応の流れ
(図)呼吸回数上限アラーム対応の流れ

Q&A

Q. ウィーニングを開始した患者さん。呼吸回数上限アラームがまもなく鳴り始めました。どんな原因が考えられますか?

A. 人工呼吸器からのウィーニング開始時に、自発呼吸を優位にしていくと、人工呼吸器のサポート不足を補うために、患者さんが呼吸回数を増やそうとすることがあります。

 この現象は、特にウィーニング開始直後に起こりやすく、背景には患者さんが状況の変化に対応できず、「自分で呼吸しなければならない」と意識してしまって呼吸回数が増えるといった現象があります。

 そのため看護師は、「頑張って呼吸しましょうね」や「深呼吸するように呼吸してくださいね」といった励ましやアドバイスで、さらに呼吸を意識させてしまわないように注意します。

 ウィーニング開始時にこのアラームが鳴り始めたら、患者さんにはなるべく呼吸を意識させないように、ほかの話題を振って声かけするなど心理的なフォローを行って様子をみます。患者さんが好みそうな写真を見せ、何気ない会話をするなどもよいでしょう。

 また、単に便意を感じたときや便秘が続いて腹部膨満感があるといった、自律神経の刺激症状であることもあり、この場合は便通が改善されると呼吸回数も落ち着きます。

 呼吸器は心理的な影響を受けやすい器官であるため、患者さんへの声かけ時にも、いきなり横から視野に入って名前を呼ぶなど、驚かせないように注意します。ベッドサイドでの声かけでは、患者さんの足元から近づいていくといった配慮も大切です。

*次回は「無呼吸アラーム」について解説します。

(『ナース専科マガジン2012年12月増刊号 一冊まるごと呼吸ケア』より転載)

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