日本フットケア学会レポート
- 公開日: 2011/2/20
2月9、10日に、パシフィコ横浜にて「第11回日本フットケア学会/第5回日本下肢救済・足病学会 合同学術集会(会長:埼玉医科大学・市岡滋さん)」が開催されました。フットケアに関するさまざまな内容の講演が行われ、今回はその中から教育講演「糖尿病治療の最前線ー足病変予防・治療のための基礎知識ー」をレポートします。講演したのは、かなもり内科・院長の金森晃さんです。
増え続ける2型糖尿病患者さん
はじめに金森さんは「2型糖尿病患者さんは右肩上がりに増加している」と現状について話しました。その上で2型糖尿病の治療の基本である食事療法、運動療法、薬物療法について、それぞれ事例やエピソードを交えながら解説していきました。
糖尿病治療の基本 食事療法と運動療法と薬物療法
食事療法では「食べ過ぎないで、腹八分目にする」と伝えるだけでは不十分で、食品交換表を使って具体的に指導することが大切と話しました。それでも、おいしいものが安く簡単に食べられる現代では、食事療法を守り続けることは難しいのではないかといいます。さらに、運動療法に関しても糖尿病に有効なほどの運動を実施することは難しいと話しました。
そこで、実施されるのが薬物療法です。しかし、糖尿病治療に用いられる薬剤は、経口薬やインスリン製剤など作用機序や作用期間が違うものがたくさんあり、選択が難しいと金森さんはいいます。
※次ページは、スルホニル尿素薬とDPP4阻害薬についてのお話です