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【連載】検査値をケアに活かす!

【腎不全】メカニズムと検査値編

  • 公開日: 2014/4/5

臨床の現場で検査値を活用していくためには、疾患のメカニズムとのかかわりを念頭に置きながら読み取っていくことが大切です。
臓器の働きや疾患がどのようにして起こるかを確認し、検査値の動きと読み取るためのポイントを解説します。


腎不全のメカニズム

腎不全とは、原因にかかわらず腎臓の障害が進行した結果、本来の機能を果たせなくなった状態です。

腎疾患が急激に進行して短時日で腎不全状態に陥る急性腎不全と、慢性の腎疾患が徐々に進行して腎不全をきたす慢性腎不全とに分けられます。

急性腎不全は、その原因により、腎前性、腎性、腎後性に分けられます。

ショックや重度の脱水など、腎臓より以前に問題が起き、腎臓そのものには問題がないにもかかわらず、腎血流量が急激に低下して発症するのが腎前性腎不全です。

一方、腎疾患の急速な進行や、腎毒性物質による尿細管の障害、アレルギーが原因の間質の障害などによって起こるのが腎性腎不全で、
尿路の閉塞など腎盂・尿管以降の問題で生じるのが腎後性腎不全です。

原因発生から1~3日で乏尿となり、数日縲怩Q週間、時には数カ月その状態が続きます。高窒素血症、水・電解質異常、尿毒症などの症状がみられます。その後、多尿の時期が数日続き、腎機能は徐々に回復していきます。

慢性腎不全の原因としては糖尿病性腎症が最も多く、4割近くを占めます。

次いで慢性糸球体腎炎、高血圧や動脈硬化などによる腎硬化症などがあります。

糸球体濾過量によって、

  1. ●予備力減少期(Ⅰ期)
  2. ●機能代償期(Ⅱ期)
  3. ●機能非代償期(Ⅲ期)
  4. ●尿毒症期(Ⅳ期

の4つの病期に分けられます。

慢性腎不全は徐々に進行していく不可逆的な疾患です。尿毒症期になると、尿量は減少し、アシドーシスや高カリウム血症がみられ、生命を維持するために血液透析が必要になります。

続いて「“腎疾患”で行う臨床検査」について解説します。

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