【人工呼吸器】SIMVの特徴と設定項目
- 公開日: 2013/12/12
患者さんが楽に呼吸ができるようにサポートしていくことが看護師の重要な役割の一つ。そのためには、どんな呼吸をしているのかを把握しなければいけません。人工呼吸器装着下で患者さんの呼吸をどのように補助するのか、それを決めているのが換気モードの設定です。
SIMV(+PS)――Synchronized Intermittent Mandatory Ventilation + PS
同期式間欠的強制換気+プレッシャーサポート
自発呼吸があっても回数が少ない、リズムが不規則な患者さんに用いることが多いのが「SIMV」で、最近では前述したPSVを加え、「SIMV+PS」モードとして使われるのが一般的です。
自発呼吸を検知しながら、タイミングよく強制換気を設定回数だけ送ります。強制換気のタイミングに合わなかった自発呼吸には、PSVでサポートします。
自発呼吸を残しながら、強制換気を送ることができるため、ウィーニングにもよく使われ、また、呼吸回数を多く設定すれば強制換気も可能です。
[特徴]
・自発呼吸に合わせて、強制換気を設定回数分だけ送る。自発呼吸がなければ強制換気を行うが、1分間10回という設定にすれば、それ以上の強制換気は行わない。そのためタイミングによっては、自発呼吸に合わせ強制換気が入らないこともあり、その際はプレッシャーサポートがかかり呼吸を補助する。呼吸回数の設定によっては強制換気のみの管理も可能で、また、回数を減らしていけばウィーニング時にも使える
・SIMVの強制換気は、量規定と圧規定のどちらかで設定する。量規定の場合は VC-SIMV、圧規定の場合はPC-SIMVと呼ばれる
[注意点]
・自発呼吸の数により、実際の呼吸回数が変化するのでよく回数をチェックする必要がある
SIMV(+PS)の設定項目
[設定項目]
【量規定(VC-SIMV)】
・1回換気量
・吸気時間(または吸気流量)
・ポーズ時間
・呼吸回数
・PEEP(cmH2O)
・FIO2(%)
・PS圧(cmH2O)
【圧規定(PC-SIMV)】
・吸気圧(cmH2O)
・吸気時間
・呼吸回数
・PEEP(cmH2O)
・FIO2(%)
・PS圧(cmH2O)
次回は、換気モードの種類と特徴[その4]について解説します。
(ナース専科マガジン2012年12月増刊号「一冊まるごと呼吸ケア」より転載)