問診の仕方|基本に戻ってSkill up
- 公開日: 2013/12/23
患者さんの異変を前に、「迷う」「わからない」「判断ができない」……。ここでは、そんな体験をした読者から寄せられた「アセスメントに迷いやすい症状」を5つピックアップしました。症状ごとに、どのような患者情報を集めたらいいのか、判断するときのポイント、アセスメント手技などについて、ステップを追って解説していきます。
問診のしかた
どう役立てる?
患者さんのS情報を具体的にしていく
アセスメントの際に扱う「情報」には、S情報(Subjective Data/主観的情報=患者さんの訴え)とO情報(Objective Data /客観的情報=患者さんの行動、表情、検査データなど)の2種類があります。アセスメントの大部分は患者さんが自覚しているS情報を聞き出すことといえるでしょう。問診は、その際の重要なスキルとなります。
例えば、「胸が痛い」という訴えがあれば、いきなり胸部を触らないで、「いつごろから痛いですか?」「どのような痛みですか?」と、患者さんが感じている症状について詳細に聞くことがS情報の収集です。これは、いろいろな角度から質問しながら、患者さんの訴えの内容を具体化していく作業です。これを飛ばしてO情報ばかりを求めると、結ぶ糸のないビーズ玉の集まりで、決してネックレスにはなりません。情報がまとまらず、判断もできません。
苦痛を訴えている患者さんの前では、迅速なケアにつなげるために、「短時間で的確に重要なことを聞き逃さないようにする」必要があります。そのためには、患者さんの話を聞きながら同時に、必要事項を確認し、情報を整理していけるとよいでしょう。そのような問診ができる「7つの原則」を紹介します。