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【連載】アセスメント力を身につけよう

打診の仕方| 基本に戻ってSkill up

  • 公開日: 2013/12/31
  • 更新日: 2020/3/26

患者さんの異変を前に、「迷う」「わからない」「判断ができない」……。ここでは、そんな体験をした読者から寄せられた「アセスメントに迷いやすい症状」を5つピックアップしました。症状ごとに、どのような患者情報を集めたらいいのか、判断するときのポイント、アセスメント手技などについて、ステップを追って解説していきます。


打診とは?どう役立てる?

打診音から内部が空気かどうかをつかむ

壁に釘を打つときは、梁がしっかりしているところを探して打ちます。その際に指でトントンたたくでしょう。これは、たたいてみて音が響くようなところは中が空洞で、音が響かないならばその中には何かが詰まっているとわかるからです。

打診はこれを身体に応用したもの。つまり、たたいた身体の内部に何があるのかを推定するための手技なのです。打診音は、たたいたところの真下のだいたい5~7cmの情報を伝えてくれます。

主に打診するのは胸や腹部ですが、これらの部分をたたくことで、その中にどれだけ空気があるのかがわかります。それによって、空洞になっている肺や腸管の含気状態や、臓器の大きさなどの手がかりがつかめます。

つまり、表面をみたり触ったりしただけではわからない、あるいは区別がつかない構造を知りたいときに打診を行うわけです。簡単に言うと、打診では、空気があるのか、何かがあるのかをつかめればよいということになります。打診では、X線でしかみえないような小さな腫瘍を発見することは難しいからです。

臓器の位置や大きさの推定に生かす

では、打診によってたたいた身体直下の臓器について確認するのは、実際にどのような場合でしょうか。打診が行われるのは、次のような5つの場面になるでしょう。

1)肝臓の位置や大きさの推定
2)心臓の大きさの推定
3)横隔膜の位置の推定
4)腹部膨満の原因の推定
5)肺の含気状態

胸や腹部をたたいてみて、その直下に肝臓があれば、ズンズンと実が詰まっているような音がしますし、肺があればトントンと弾むような音がします。このように響き方が変わったところを見極めると、どこからが肺でどこに肝臓があるのかがわかります。また、背中の打診では、横隔膜の上をたたけばトントンという音がしますし、横隔膜の下であればズンズンと詰まった音がします(表1)。

ガスなのか腫瘍なのか、打診すると中にたまっているものを判断する手がかりが得られます。

このように音の響きの違いを聴き分けて、肺や肝臓、心臓などの見えない臓器の位置と大きさを推定できるので、肥大や呼吸の異常の発見にも役立てることができるというわけです。

打診音の表現

表1 打診音の表現

ポイントは?

患者さんの体に片方の指を当てがって、もう一方の手でその上をたたきます(図1)。

打診の手順は?

(1)当てがう指は、できるだけ皮膚に密着させます。
(2)たたく指は、直角に当たるようにし、手首のスナップを利かせてたたきます。
(3)たたいた後は、すぐに離します。

基本的な打診の方法

図1 基本的な打診の方法

※ 次回は、「胸痛のアセスメント」について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年6月号より転載)