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【連載】基礎からわかる精神科看護

【精神看護】第10回 不眠症の患者の看護の仕方

  • 公開日: 2009/9/23
  • 更新日: 2020/10/22

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不眠症の定義

不眠は睡眠障害の一つで、睡眠開始の障害(入眠障害)および睡眠維持の障害であり、何らかの原因によって睡眠時間の短縮と睡眠の質の悪化が起こっている状態です。
不眠は、入眠障害、塾眠障害(中途覚醒、浅眠)、早朝覚醒に分類され、単独あるいは組み合わさって出現します。

不眠の原因の分類には、身体的原因、生理学的原因、心理学的原因、精神学的原因、薬理学的原因、その他があります。

看護のポイント

不眠は精神疾患の発症に先駆けて見られたり、発症や精神症状の悪化に伴い出現することが多くあります。
したがって、精神症状との密接な関係から、不眠への援助は回復の一助になります。

不眠状態の患者を援助するためには、患者本来の睡眠パターンと睡眠に対するニーズ、現在患者の感じている睡眠パターン、不眠による苦痛の程度、睡眠状態、日中の過ごし方、身体症状、精神症状、生活習慣などの情報を集め、不眠の方と原因をアセスメントする必要があります。

ここでは、不眠を引き起こす医学的診断として、統合失調症、躁うつ病、神経症、アルコール依存症、認知症を取り上げていきます。

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【統合失調症:急性期】

統合失調症の急性期では激しい妄想・幻覚症状があります。
そのため、極度の内的緊張、興奮、または非常に強い不安や恐怖感といった脳が活発化している過度な覚醒状態にあり、強度の不眠(特に入眠障害や浅眠)がある。この時期には、幻覚・妄想状態からの回復と十分な睡眠が得られるように援助する必要があります。

【統合失調症:慢性期】

統合失調症の慢性期では、主として無為、自閉、感情鈍麻、意欲低下などの陰性症状を呈します。
そのため、生活リズムが乱れ、入眠障害や覚醒困難、日中の傾眠、昼夜逆転といった睡眠・覚醒パターンの乱れが起こる。したがって、生活リズムの確立に対する援助が必要になります。

【躁うつ病:うつ状態】

うつ状態の主症状の一つとしての不眠は、入眠困難、早朝覚醒、中途覚醒が特徴的です。
また、朝目覚めが悪く、夕方になると気分が良くなるという日内変動は、患者の生活リズムに影響を及ぼします。
そのため、うつ状態の改善に対する援助と十分な休息をとることができるように援助する必要があります。

【躁うつ病:躁状態】

躁状態の患者は、睡眠時間が短く浅眠であるが、多くの場合気分爽快で疲労感を自覚せず、些細な刺激に反応し活動が亢進します。
患者が不眠を訴えることは少なく、自分の状況を理解していないことが多いので、刺激を少なくし、十分な睡眠が得られるような援助が必要となります。

【神経症】

神経症は、漠然とした不安が根底にあり、その不安に対する適切な対処やコントロールができず、不安症状、恐怖症、抑うつ症状、脅迫症状、心気症状などが起こります。
そして患者は、さまざまなことで抑うつ的になったり、焦燥感が増強し、心身ともに緊張状態を生じるため、脳の興奮から不眠を引き起こしてしまいます。

神経症は入眠困難が特徴的であり、眠れないことでこだわりが強くなり、不眠が悪化するという悪循環を引き起こします。

【アルコール依存症】

アルコール依存症患者は、長期間の昼夜を問わない飲酒による乱れた生活リズムが睡眠パターンに影響しています。
また、不眠は断酒後に起こる主症状の一つ(退薬症状)である。この府民は長期間続き、再飲酒の理由になることが多くあります。
したがって、退薬症状の改善および生活リズムの確立に対する援助が必要です。

【認知症】

認知症患者では不眠が高頻度に出現する。不眠の方として、頻回な夜間覚醒および徘徊、極端な入眠自国の遅れ、昼夜逆転が特徴です。
原因として、精神的・身体的活動性の低下による日中の傾眠傾向、夜間の頻尿、掻痒感、腰痛などの身体症状があります。
そのため、日中の覚醒維持と身体症状の緩和が重要な援助となります。