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【連載】高齢者の機能低下をアセスメント

第10回 麻痺・拘縮のケアと予防のポイント

  • 公開日: 2012/11/12
  • 更新日: 2020/3/26

▼体位変換・ポジショニングについて、まとめて読むならコチラ
体位変換とポジショニング


観察とアセスメントのポイントを押さえたところで、ケアと予防のポイントについて解説します。


的確な体位保持により、麻痺・拘縮の予防・維持を図ろう!

 麻痺と拘縮のケアでは、症状を見ながら二次的障害を予防し、同時に、ADLおよびQOLを低下させないことがケアの目標となります。そのためにまず大切なのは、良肢位を保持することです。急性期疾患などで安静臥床を余儀なくされ、良肢位を保持しないままに臥床を続けると、場合によっては拘縮が発生することもあります。

 高齢者は筋力が低下しているため、姿勢が崩れてもなかなか元に戻すことができません。車椅子に乗っているときも、ベッドアップして起座を取っているときも、体位変換用枕などの補助具を活用し、的確な体位を保持できるよう気を付けることが大切です。

部位別の的確な体位保持
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骨折や脱臼などのリスクを忘れない!

 麻痺・拘縮のある患者さんの場合、褥瘡予防、肺血栓塞栓症予防のための体位変換は必須となりますが、この体位変換時には骨折や脱臼といったリスクが伴うことを忘れないようにしましょう。このようなリスクを避けるためには、十分な配慮が必要となります。

 脳梗塞では、麻痺側で拘縮を起こし、血液循環が悪くなり、むくみが生じるので、体位変換時に麻痺側を下にする場合は浅めのポジショニングとします。

 拘縮では、関節が弾力性を失っており、両腕を抱えて持ち上げただけで脱臼することがあるため、どこに麻痺や拘縮があるかを確認しておき、強く引っ張らないようにします。

 また、日常生活においてもいくつかの注意点があります。麻痺や拘縮によって、患側の腕や足がうまく固定されなかったり、感覚がないことにより、壁や物にぶつかっても気付かずに骨折することがあります。歩行・移動の際には、患側を保護するように話をします。認知能力に問題のある人については、看護師が付き添ってカバーします。

 ベッド上で過ごすことの多い片麻痺患者さんは、物を取ろうとしたり、寝返りをうつときに、健側を使って動こうとするため、どうしても身体がベッドの片側に偏ってしまいます。

 高齢者にはやせた人が多いため、このときベッド柵の間に身体が挟まってしまう危険性があるので注意が必要です。こうした場合は、看護師が気を付けて観察を行うだけでなく、柵カバーを使用する、柵の棒の間隔を狭くする、マットレスを低くして柵を乗り越えられないような十分な高さにする、など環境面からの対処も必要になってきます。

症状の進行を防ぐために早期リハビリを検討する!

 麻痺・拘縮は、その程度によって、患者さんのADLを大きく左右します。例えば、拘縮が弱ければ衣類の着脱での介助者は1人で十分ですが、拘縮が強ければ頭からかぶるタイプの衣類は着ることができないなどの制限も生じ、着替えをスムーズに行うためには介助者が1人必要になります。こうなると、在宅療養は難しくなってしまいます。

 そのため、患者さんの状態に応じて、拘縮予防を目的とした早期のリハビリを検討し、日常的な床上リハビリを治療プランに組み入れることがあります。その場合は理学療法士が介入し、麻痺側の屈伸運動などを行います。ケアプランに床上リハビリが挙がっている場合には、理学療法士の指導の下、看護師も実施します。

 次回は、在宅へ移行する際に、どのようにかかわっていけばよいのかを解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年2月号より転載)

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