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【連載】テーマごとにまとまった記事が読める! まとめ記事

体位変換とポジショニング

  • 公開日: 2017/11/21
  • 更新日: 2020/3/26

体位変換とは(体位変換の目的)

 自分自身で身動きが取れない人や、身動きが不十分な人に対し、介助者が定期的に体位を整えることを体位交換といいます。長時間同じ部分が圧迫されると、血行不良が起こり褥瘡の原因となります。また、動きが制限されることによる拘縮、変形の予防や、循環障害の予防も目的の1つとなります。患者さんの状態によりリスクの程度が変わるので、体位交換の頻度や方法はその人に合わせて決定します。

【体位変換の目的についての関連記事】
第5回 体位変換&ポジショニング
効果的な体位変換の目的とポジショニングを知ろう!

体位変換の方法(時間、手順)

 これまで2時間ごとに行うとよいとされ、そのように実施している施設がほとんどでしたが、“2時間”という数字に明確なエビデンスはありません。『褥瘡予防・管理ガイドライン 第3版』では「粘弾性フォームマットレスを使用する場合には、体位変換間隔は、4時間を超えない範囲で行ってもよい」とされており、今後はルーチンで2時間ごとに行うのではなく、患者さんの状態や状況に合わせて、実施していくことが必要になると考えられます。

【2時間から4時間にするための考え方】
体位変換を2時間から4時間にするためのケアとは?

体位変換の注意点

 ・1つ行動するごとに患者さんへ声をかけ、不安を軽減する
 ・ベッドを適切な高さまで上げ、なるべく介助者の身体へ負担がかからないようにする
 ・ボディメカニクスを意識し、なるべく患者さんと密着することで介助者の負担を軽減する
 ・拘縮がある患者さんは骨折の可能性が高いので、無理に力を加えない

【体位変換ができないときの対処方法】
 ・体位変換ができない場合の4つの要因と対処法
 ・体位変換ができない場合の除圧は?

体位変換の流れ

 一般的な体位変換の手順を紹介します。
●仰臥位から側臥位(介助者側へ向ける)
 ①胸の上で腕を組んでもらいます
 ②枕を手前にずらします
 ③踵がお尻に付く程度まで、なるべく高くなるように膝を曲げてもらいます(難しいようであれば支えます)
 ④片方の手で患者さんの肩、反対の手で腰を支えます
 ⑤腰、肩の順で向きを変えます

●仰臥位から端座位
 ①片方の手を患者さんの首元から差しこみ、首から肩にかけて支えます
 ②反対の手で上から患者さんの膝をかかえるようにして支えます
 ③患者さんの臀部を支点にし、頭が円を描くように回します
 ④③と同時に膝をベッドの下に降ろします

ポジショニングとは

 患者さんの安楽な状態を保持することであり、そのために、クッションなどを使用し身体がずれないようにします。適切なポジショニングは、褥瘡、拘縮や変形の予防になります。

【ポジショニングの基本について】
体位変換後、安楽な姿勢保持と除圧が行える適切なポジショニングは?

ポジショニングを行う際の注意点

・患者さんの身体状態(浮腫、痩せ、骨突出、麻痺、ねじれ、ゆがみ、筋緊張の有無)を確認する
・適切なクッションやポジショニング枕(体圧分散用具)を使用する
・なるべく広い面で身体を支え、局所に圧がかからないようにする

【ポジショニングのコツがわかる】
【褥瘡予防】ポジショニングを行うときの6つの注意点

ポジショニングにおける良肢位とは

 自力で身体が動かせなくなった場合に、日常生活における支障を最小限に抑える角度のことです。筋肉や関節にかかる負担が少ないので、関節の可動域の低下を防ぎます。

【麻痺・拘縮のある人の良肢位について】
第10回 麻痺・拘縮のケアと予防のポイント
拘縮患者さんの清拭のコツと注意点

車椅子、座位時のポジショニング

 安全・快適な座位姿勢を保つ技術をシーティングともいいます。

車椅子、座位時のポジショニングのコツ
・股関節、膝関節、足関節をそれぞれ90度になるようにすることで、大腿後面で体重を支えることができる
・両肩を結ぶ線、両腰を結ぶ線をバックレストに対して平行になるようにする
・上半身の調整をすると時は、骨盤から移動させる

【誤嚥を防ぐポジショニングのコツ】
誤嚥を防ぐポジショニング

体位変換・ポジショニングに用いる道具

①クッション  

 さまざまな種類があるので、用途に合わせて使用します。

・傾斜つき枕
 側臥位時に背部に差し込み、背部から臀部にかけて圧が分散するようにする。30度を超えると、臀部に圧がかかりすぎてしまう。
・長方形枕
 下肢に隙間ができないように足の間や下に置く。
・四角枕
 深い側臥位(半腹臥位)に、上半身の除圧、体圧分散のために使用。胸郭の動きを妨げないような位置に置く。

 ※円座は、仙骨部への除圧で使用されることがありますが、仙骨部周囲の円座と接している面が、圧迫されてしまうことで中心部の虚血状態を作り、結果的に褥瘡ができやすくなってしまうため注意。

 ※尖足予防のために使用する場合は、足関節がほぼ90度になるように硬く、支持性のあるクッションを使用する。

②体圧分散グローブ

 ミトンを大きくしたような形で、指先から肘上までの長さがあります。外側は滑りやすく、内側は滑りにくくなっています。ベッド上での体位交換時、ポジショニングの圧抜きに使用します。

③スライディングシート

 患者さんを持ち上げずに滑らして移動・移乗が行えるシートのこと。

【体圧分散の用具選択のポイント】
体圧分散用具の種類と選択のポイント

参考文献

田中マキ子:らくらく&シンプル ポジショニング.中山書店,2010.
田中マキ子:動画でわかる 褥瘡予防のためのポジショニング.中山書店,2006.

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