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【連載】褥瘡ケア用品を使いこなそう!

体圧分散用具の種類と選択のポイント

  • 公開日: 2014/6/5
  • 更新日: 2020/10/21

ケア用品を適切に選択するためには、どのような種類や効果があるのかを知っておかなければなりません。今回は、体圧分散用具の選択のポイントとどのような種類があるのかを解説します。


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体圧分散用具の選択のヒケツ

 体圧分散用具は、局所に加わる圧力を分散し、同一部位への長時間の圧迫を減少させることを目的に使用します。

 圧再分配のポイントは、沈める・包む・圧のかかる位置を徐々にずらすことで、一点に加わる圧を低くします。選択は、自力体位変換が可能か・骨突出があるか・45度以上の頭側挙上をしているかが主な基準になります。

 自力体位変換能力の有無では、体圧分散用具の素材が選択されます。自力体位変換ができる場合には、ウレタンフォームなどの体動を阻害しない素材が、できない場合には、体圧分散機能に優れ、体圧調整ができるエアやウォーターなどの素材が適します。
 
 自力体位変換ができず骨突出があるなら、低圧保持ができる2層式エアセルマットレスなどを選択していきます。

 45度以上の頭側挙上の有無では、体圧分散用具の厚みが決定します。骨突出の有無にかかわらず、挙上なしなら上敷、挙上ありなら交換または2層タイプが選択されます。

 体圧分散用具を使用していても、自力体位変換ができない患者さんには、2時間ごとの体位変換が必要です。

ベッド、マットレスは使用方法で分けられる

特殊ベッド

 ベッドとマットレスが一体化した体圧分散機能を備えた寝具で、コンピュータ制御によって、どのような体位でも除圧ができる。高価な価格帯のものが多く、高重量のため、在宅での導入は難しいことがある。
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交換マットレス

 普段使用しているベッドフレームに直接敷いて使用するマットレス。マットレスの中では体圧分散能力が最も高い。厚みがおおよそ15cm以上あるため、患者さんが端座位のときは不安定になりやすく注意が必要。

上敷マットレス

 普段使用しているマットレスの上に敷いて使用するタイプで、重ねるだけで簡単に使え、価格も安価。中には、低圧保持機能を持つものもあるが、多くの上敷マットレスが減圧できるのは、ベッドアップが30度以下の場合に限る。

リバーシブルマットレス

 片面が体圧分散マットレスとして使用できるタイプで、患者さんの褥瘡発生リスクに応じて二面を使い分けることができる。圧分散面が7cmほどなので、減圧できるのはヘッドアップ30度以下となるが、新たに体圧分散マットレスを購入する必要がないため経済的。

体圧分散用具のPOINT

 1. 褥瘡発生のリスクになる局所への圧迫の減少、発生後の圧力コントロールに用いる
 2. ADLに合った体圧分散用具を選び、適切な体位変換とポジショニングを行う

素材からみた体圧分散用具の分類

エア

 空気で構成され、マット内圧を調整することで患者さんの状態に応じた体圧調整ができるのが特徴。セル構造が2層、3層になっている多層構造のマットレスは、身体を低圧保持できる。

 一方で、安定感が得にくい、鋭利なもので破損しやすい、付属ポンプの騒音がある、定期的保守点検が必要など、管理に手間がかかりやすい。

ウォーター

 マット内の水量を調整することで、患者さんの状態に応じた体圧調整ができる。ベッドアップ時のずれが少ないため、ずれによる褥瘡発生のリスクが低くなる。

 ただし、体温維持のために水温管理が必要で、患者さんの中には独特の浮遊感を不快に感じるといったデメリットもある。また、水の重量でマットレス自体が重いことが、介護者の負担増につながりやすい。

ウレタンフォーム

 ポリウレタンに発泡剤を入れたもので構成される。体圧分散効果があり、ポジショニング用具の素材としても使われている。低反発のものほど圧分散効果がある一方で、身体が深く沈み込み過ぎて、自力での体位変換を阻害することがある。自力体位変換能力が低下している患者さんに対しての使用には、特に注意が必要。
 
 比較的経年変化が起こりやすいので、一定期間が過ぎたら体圧分散力の確認を行うこと。

ゲル/ゴム

 ゲルやゴムによって構成されるマットレス。耐久性・耐熱性・耐薬品性が高いので、表面の汚れを拭き取ることができるなど、比較的楽に管理できるのが特徴。底付きを起こしにくく、ずれ力の吸収力も高いため、臀部への褥瘡リスクが軽減されるのがメリット。

 ただし、十分な体圧分散効果を得るにはある程度の厚みが必要で、その重量が介護者の負担になりやすい。マットレスの表面温度が低いので、気温・室温に応じた体温維持管理が必要となる。

ハイブリッド

 2種類以上の素材を使って構成されているマットレス。現在は、ウレタンフォームとエアあるいはゲルなどが組み合わされたものがある。

 例えば、褥瘡の好発部位にエアセルを使用することで、ウレタンフォームの安定感とエアの体圧調整を同時に得ることが可能になる。ただし、そのエビデンスに関しては、まだ十分なデータが得られていない。

(『ナース専科マガジン』2011年12月号より転載)

次回は、「皮膚の保湿・保護などのスキンケア用品の選択のポイント」について解説します。