【誤嚥性肺炎を予防】摂食・嚥下障害の観察・ケアのポイント
- 公開日: 2012/12/10
誤嚥性肺炎の原因と症状
摂食・嚥下障害に付随して起こる可能性のある誤嚥性肺炎の原因と症状について解説します。
誤嚥性肺炎はどうして起こるの?
一番の原因は加齢による機能低下と抵抗力の低下です。
口腔、咽頭、食道などの嚥下筋力が低下して、食道に運ばれるべき食物や水分、唾液などが誤って気管に入ってしまい、また、呼吸筋の低下によって、口腔内の細菌や唾液が少しずつ気管内に吸引されていきます。
口腔内に残っている食物残渣や、義歯に汚れが付いていると、それが細菌繁殖の巣窟となります。
唾液の分泌も少なくなっているので、口腔内はさらに細菌が発生しやすい状況となっています。
それでも成人なら肺炎を起こすことはないのですが、特に免疫力が低下している高齢者では、肺炎を起こしやすい条件となります。
脳血管障害や変性疾患などの神経疾患、認知症、胃切除後や食道逆流現象などの胃・食道疾患、腫瘍性疾患、中枢神経作用薬などの薬剤、寝たきりでADLの低下している高齢者なども、肺炎の起こりやすい条件です。
歯を失うことによる咀嚼力の低下、味覚低下、咽頭・声門上部の知覚低下、気管の防御機能の低下、注意・集中力の低下などによる摂食・嚥下機能の変化も、嚥下障害を引き起こしやすく、肺炎の発生に関係します。
誤嚥性肺炎はどんな症状?
誤嚥性肺炎は、口腔内の雑菌を含んだ食べ物や唾液、喀痰が気管へ入ることにより起こる肺炎です。
誤嚥すると、通常は気管支や肺の粘膜の繊毛運動により、むせるなどして食物を自然に排泄します。