【高齢者の脱水・食欲不振】アセスメントと予防・ケアのポイント
- 公開日: 2012/12/31
脱水・食欲不振は高齢者によく見られる症状の一つです。
器質的要因、心理的要因を考慮して、重篤化を防ぐことが大切です。
症状の特徴
脱水ってどんな症状?
脱水とは、体内への水分の摂取と排出のバランスが崩れ、体内で水分の不足が起きている状態です。体液は細胞内液が3分の2、細胞外液が3分の1の割合になっていますが、高齢者では特に細胞内液の減少が顕著となります。
また脱水症には、体内の水が失われて血液中のナトリウムの量が多くなった水欠乏型(高張性脱水)と、体内のナトリウムが失われ、細胞外液の不足が著しいナトリウム欠乏型(低張性脱水)、水とナトリウムの両方が不足した混合型(等張性脱水)の3種類があります。高齢者の場合は、このうち混合型が多いといわれています。
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■脱水(高張性・低張性・等張性)の原因と検査・治療・ケアのポイント
高齢者は生理機能的に脱水になりやすく、いったん脱水になると、意識障害を来したり、基礎疾患の悪化を招き、回復に困難を伴うことがあります。脱水による血液の濃縮やヘマトクリット値の上昇では、脳血管障害、虚血性心疾患といった高齢者の急死の主たる原因となる疾患を誘引する可能性があるので、特に注意が必要です。
脱水の主な症状としては、
・口渇
・尿量の減少
・舌、皮膚粘膜の乾燥
・意識障害
などがあります。