潰瘍性大腸炎で脱水症状や貧血がある患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2024/5/31
潰瘍性大腸炎で脱水症状や貧血がある患者さんに関する看護計画
潰瘍性大腸炎とは、主に大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる原因不明の非特異性炎症疾患です。発症年齢は30歳以下の成人に多く、再燃と寛解を繰り返す疾患であるため長期間の管理が必要となります。今回は潰瘍性大腸炎で脱水症状や貧血が生じて入院している患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 下痢の状態とともに、腹部症状についても確認する。また、最近の食事の状況なども把握する。貧血も見られるため、炎症反応だけでなく、倦怠感の有無や貧血に関する検査値のデータも確認する。
援助計画 T-P 患者さんが安静・安楽に過ごせるように環境を整える。食事の内容についても検討する。潰瘍性大腸炎の罹患歴が長い場合は、患者さん本人も状態について十分にわかっていることもあるため、心情に配慮して必要な援助を行う。
教育計画 E-P 安静にすること、不安があれば、いつでも話してくれるよう伝える。必要があれば、生活習慣について説明し、食事に関して説明を受ける機会を設ける。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
潰瘍性大腸炎による症状でADLが低下している
看護目標
症状が寛解してADLが改善する
観察計画 O-P
腹部症状の有無、程度
随伴症状の有無、程度(倦怠感、嘔気など)
脱水症状の有無、程度
排泄状況(排便の回数、量、性状、間隔など)
皮膚の状態
食事摂取状況
In-Outバランス
体重の推移
日中の活動状況
検査データ(Hb、電解質、WBC、CRPなど)
画像データ(腹部X線、腹部CT、腹部エコーなど)
援助計画 T-P
患者が安静に過ごせるように環境を整える
必要に応じて日常生活援助を行う
適宜、疼痛に対する介入方法を検討する
栄養士と協働して食事が継続して摂取できるように調整する
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
安静の必要性を説明する
本人の理解、需要に合わせて食事や生活に関する知識を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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