【高血糖の患者さん】事例で見る検査値の活かし方
- 公開日: 2014/5/17
検査値を患者さんの病態とどうつなげて考えればよいかわからない──。
そんな声に応えて、入院時からの経過と検査値の推移を見ながら、数値の示す意味や看護への活かし方を、4つの事例で検討します。
事例1 高血糖の自覚症状を訴えて教育入院になった患者さん
Aさん(55歳、女性)は、全身倦怠感と口渇、体重減少で外来を受診しました。その時点で、血糖が298mg/dL、HbA1cが14.7%と非常に高いことから、糖尿病と診断されました。
また、尿検査で蛋白が2+、血液検査でクレアチニンが1.8mg/dL、尿素窒素が35.1mg/dLと高く、腎障害があり、糖尿病腎症を発症していることがわかりました。
Aさんは以前の健康診断で、血糖値が高いと指摘されていましたが、これまで治療は全くしていません。初診時の主訴のほかにも、手足のしびれや痛みなどの神経症状があり、自覚症状はないものの網膜症も併発しています。
まずはインスリンを使って血糖値をコントロールする必要があるため、2週間の教育入院となりました。
入院中は、インスリンの量を調整しながら、インスリン注射の正しい手技の習得、体重管理のための運動習慣と食事療法、感染症に対するセルフケアなどの指導が、看護師を中心に行われました。
その結果、退院時には血糖を200mg/dL以下に下げることができました。足のしびれなどの神経症状に関しては、あまり改善しませんでしたが、口渇は改善し、総コレステロールや中性脂肪も低下しました。
検査値の推移